12/23/2015

スター・ウォーズ フォースの覚醒 ネタバレあり感想

近日中に今度は4DXで観てこようと思っております。
今回はジョン・ウィリアムズによる音楽が冴えないという声がちらほら聞こえてきていて実は私もエンドクレジットを観ている間も背後に流れている曲に「これが今作のテーマ」と言えるような耳に残りやすいフレーズに欠けると感じてたのですが、原因の一つにサントラの発売日が映画公開日と同じだったというのがあると思います。
以前の三部作ではどれも事前にプロモーションビデオが公開されてそこに作品毎のテーマとなる曲が乗っていました。エピソード3の曲であるBattle of Heroesは世に出たときは今回の曲はあまりぱっとしないという声が多数を占めていました。が、ビデオを観たり事前にCDを聞いているうちに評価が変わり今やエピソード3を代表する名曲と評されるようになりました。その意味では今回の状況は曲には不利とも言えますが耳に馴染んでくるとレイのテーマはかなり良いと思えてきます。音楽の指揮にゲスト指揮者としてグスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)がクレジットされています。A John Williams Celebrationで指揮をした方ですね。

さて、ではそろそろすでに観た人も増えてきたでしょうから、このあたりでネタバレありの感想です。ネタバレなしの感想はこっちにあります。映画を未見の方はそろそろ引き返して下さい。

今回、ミレニアム・ファルコンの出し方にまずやられました。中に入れば懐かしの内装、チェスゲームのテーブルまで出し、かつてはルークが座った射手用のシートの再現具合などこの数分だけで昔からのファンは懐かしさ全開のはず。

エピソード7を褒めるレビューの中で少なくない人達がさらっとエピソード1〜3について悪い意味で言及していて、あぁやっぱりみんなあまり好きではなかったのだなと再確認出来ましたが、あれは描かないといけないこと辻褄を合わせないといけないことがあまりにも多かった点はとても大変だったろうと思います。しかもファンにとっては起こることは全てわかっているわけで驚きがない。パルパティーンが皇帝になることだって1977年の段階ですでに設定として存在してましたから謎ではなかったですしね。それでも最後の対決の場所となる火山がスクリーンに映ったときには、遂に30年以上語られていたエピソードが遂に目の前に展開されるのだなと感慨深かったですが。
それでエピソード7。見終わっても疑問が増えるだけでほとんど何も解決しないのが、らしくて良いです。そもそもレイって何者なの?(まぁ本作の展開からして噂通りなのでしょうが)、カイロは両親との間に何があって、そしてベイダーが実行しようとしてたプランを引き継ぐって何? しまってあったルークのライトセイバーって何故あそこにあるの? だって、あれって最初のやつですよ。エピソード5で腕を切られちゃったときに一緒に落ちていった方。そしてスノークってどんな存在?・・・あれ、ホログラムだと凄い大きいですが次作で実物が出てきたらヨーダくらい小っちゃかったらちょっと萌えですね。ないと思いますけど。
スノークはダース・プレイガス説が有力ですね。エピソード3で語られたダース・シディアス(<皇帝のパルパティーン)の師匠。覚えてない人もいるかもしれませんが生命を想像することが出来、死を欺く術を手に入れたものの弟子のシディアスに殺されてしまった、と言われているシスです。プレイガスはHasbroからフィギュアが出ているのでその姿も確認出来るのですがなかなか似てます。あと、エピソード3で彼について語られているときの曲が今回のCDに収録されているスノークという曲と似ているのもポイントかと。

ここでもはやご存知の方もいるでしょうが小ネタを二つ。一つはあの007のダニエル・クレイグが出ているという話。といっても顔は映りません。トルーパー役なので。レイが捕まってしまってるときに彼女にコントロールされてしまって鍵を外してあげるトルーパーが彼です。なのでI'll tighten those restraints, scavenger scum.というセリフ付き。たまたまスペクターの撮影も同じスタジオだったのでちょっと出てみたってことらしいです。
もう一つはレイがルークのライトセイバーを手にしてフラッシュバックを得るところ。オビ・ワンの声でRey … these are your first steps,というセリフが聞こえます。これ、these are your first steps.は若かりしオビ・ワンを演じたユアン・マクレガーの声でこのために録音されたそうですが最初のReyはアレック・ギネス。といってもアレック・ギネスはすでに亡くなってしまっています。どうしたかと言うと過去のシリーズのセリフのAfreidから切り出したそうです。
ヨーダの声も中の人のフランク・オズが新たなセリフを録音したそうですがこちらは結果的には既存の音源を使ったとのことです。

そんなこんなで何の疑問も解決しないエピソード7ですが2017年5月27日には多少のヒントをスクリーンで観られるかもしれません。

12/19/2015

時間厳守のマジック 〜タイムキープの仕方〜

たまに、しっかりちゃんと働いているの?疑惑が上がります。毎日遊んでるだけなんじゃ?と。そこでたまには仕事の話。先日、立食パーティーで各テーブルを回ってクロースアップマジック(テーブルマジック)をご覧頂くという仕事をさせていただきました。
このような場合、一テーブル終わるごとに準備に戻ったり出来ませんから一々準備に手間を要しないもの、また、演技終了で速やかにテーブルを離れられるように構成を組むことなどを考えますが、テーブルごとの時間も大事な要素です。
大抵、パーティーで全体のタイムテーブルは決まってますから次のイベントに影響ないよう時間通りに終わることが要求されますし、各テーブル同じくらいの時間でないと不公平感が出てしまいます。最初で時間をかけすぎて最後の方のテーブルでは1演目だけさっと手早く、のようになってしまうのは避けたいところ。


私、結構、演技時間のタイムキープには自信があるのですが、今回は特に時間について何度も念を押されまして、そうなると却って心配になったりして、まぁ、それぞれのテーブルできっちり5分というのはお客様のリアクションも様々なので現実的には無理がありますが3テーブルで15分、それぞれの誤差30秒未満、なんていうのは可能だと思います。
タイムキープのために何をするかというと・・・と、勿体ぶっても特に秘密の方法があるわけでなく腕時計をします。はい。普段は腕時計をしていないのですがこういうときは一応念のため。そして演技の中に一箇所で良いのですが腕時計を見るポイントを作っておきます。袖を改めるときでも良いですし、トランプを一枚選んでもらって「私が後ろを向いている間に皆さんで表を確認して下さい」と言うタイミングでも良いです。但し各テーブルで同じタイミングにしておく方が自分に混乱が生じづらいと思います。
慣れている演目であれば大体同じ経過時間を指していますからそのままのペースで演じれば良いという目安になりますし、少しずれていれば調整をすれば良いわけです。どう調整するかはそれだけで長くなってしまうのでみなさまお好みの方法で。
唯一、危険なのは最初に割り算を間違えたとき。全体時間÷テーブル数を間違えるというね。罠は常に思わぬ所にあり。

12/18/2015

スター・ウォーズ フォースの覚醒 ネタバレなし感想

今の世の中、映画が公開されて時間が経てば経つほどネタバレを目にするリスクがどんどん上がります。なので出来るだけ早めに観ておこうと早速観てきました。しかも今回は事前情報を全く入れず。なのでストーリーの断片も、設定も、ファンの間で噂されていること議論されてる疑問も何も知りませんでした。


ここまで何も情報を入れなかったスター・ウォーズは初めてです。EP4は当時かなり話題になりテレビでも宣伝してましたし子供向けの雑誌も特集を組んでいましたからそれらが目に入ってきました。以降、EP6とEP7は映画雑誌などで事前情報に自ら手を出してましたし、EP1~EP3はインターネットの時代となり色々な情報が一段と手に入りやすくなりました。
しかしそれらはまだまだ情報と言ってもコントロールされた限られた情報でしたが今や時代は変わり、少しその気になればかなり詳細なことがわかってしまいます。Appleの新製品だって事前リークがとても正確で、新製品の発表会で驚きに出会うことも少なく、どちらかと言えばすでに知っていることの確認作業になりつつあります。
今にして思えばEP1の公開前はとても良い時代だったと思います。EP6が終わり、もう続編はないと思っていたところに10年以上ぶりに新作のニュースが流れ、公式サイトが小出しに情報をリリース。なかなか核心を突く情報は出てこない中、それでもファンはたった一枚の写真の隅に写っているものから映画の設定を読み解き、撮影現場の写真の機材や俳優達が撮影のために身に付けているものから何のためのシーンかを推理し、映画の内容を色々と議論していました。この、わかりそうでわからないという距離感が気分を盛り上げるのにとても有効に機能していました。

今回情報をシャットアウトできたのはもともとあまり興味がなかったのも大きいと思います。やっと予告編にジョン・ウィリアムズの曲がしっかりと乗ったときに急にやっぱり見ようと思ったのでした。曲の力は偉大です。

で、そんな知識ゼロの状態で観てきましたが期待以上のものを観ることが出来ました。すでに知っているキャラクター、宇宙船、その内装や過去のシーンを彷彿させるシーンに出会ったときに抱く感覚は旧三部作への思い入れの大きさによって違うと思いますので、それだけで「おお!」と思ってしまう私は平均的な観客層から外れていると思いますが、上映終了後の劇場の雰囲気もなかなかみなさん満足していたようです。旧三部作のリアルタイム世代とは思えない人も多かった、というかむしろそっちの方が多かったと思いますが「もう一度観たい」とか「親にも観た方が良いって言わなきゃ」とか言っているのが聞こえてきましたから独立した映画としても楽しめる出来になったいるのだと思います。このあたり、EP1上映終了直後はみんなが疑問を口にしていたのとは対照的です。まぁ、EP1〜EP3は辻褄を合わせながら描かなくてはいけないことが多すぎたという不利な点はあったと思いますが、そもそも描き方が整理されていなく、それなのに新たな要素も加えようとしてしまってそれが裏目に出た感がありますからね。あれ。そうそう、馴染みのものを出すときの出し方もじっくり「ため」があったり不意打ちがあったりと見せ方が考えられています。あと今回は極力CG使用でなくて実際の人やセット、ミニチュアでやっていることもプラス要素です。
さて最後に1つ。BB-8がとてもかわゆいです。あの移動の仕方はR2-D2の反省が反映されてるんでしょうかね?(当時はあれしか手はなかったと思いますが)BB-8は人の歩く速度と同じ速度で移動出来るので見ていて安心。R2-D2は人の方が意識してゆっくり歩かないと置いていかれそうになったり、シーンが長いと「だんだん距離が開いていく〜」とこちらが不安になりましたが今度はストレス・フリーです。
では今回はこのあたりで。ネタバレありの感想はまた別に書くことにします。

12/17/2015

A John Williams Celebration Blu-ray

先日、ホームシアター機器のデモを覗きに行ったところ使っていたディスクの1つがこの、A John Williams CelebrationのBlu-rayでして、「え?こんなのあったの?」と。知りませんでした。それで早速オーダー。このディスクはロサンゼルス・フィルハーモニックが本拠地であるウォルト・ディズニー・コンサート・ホールで演奏したジョン・ウィリアムズのトリビュートコンサートを収録したものです。


指揮はグスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)、そしてヴァイオリンにイツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)が参加しています。パールマンと言えばシンドラーのリストの主題を演奏した当人。
全体的にこの映像のカメラワークは「このフレーズを奏でているときの演奏者の様子が見たい」という気持ちをあざといくらい叶えてくれる方向で、好みは別れると思いますがなかなか楽しめます。
そして最後はなんとジョン・ウィリアムズ本人の指揮による帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)。私、本人が一曲丸々指揮している姿を初めて見ました。なんかね、「わ〜、本人だ!」と思うわけですよ。もうこれだけで買う価値ありの一枚でした。

11/26/2015

バック・トゥ・ザ・フューチャー・イン・コンサート

東京国際フォーラムで開催されたバック・トゥ・ザ・フューチャー・イン・コンサート(Back to the Future in Cancert)に行ってきました。公開30周年記念のイベントでして、BGMをオーケストラの生演奏で映画にシンクロさせて上映するスタイルです。


最初にこのようなスタイルを知ったのはE.T.の20周年ワールドプレミアがあったときで、このときにはあのJohn Williams自らが指揮をしています。そしてこのときの音声はその後リリースされたDVDの付録音声として収録されました。
いずれ機会があったらこのスタイルの上映を体験してみたいと思っていたのがやっと今回叶ったというわけです。私、スター・ウォーズは人に勧めるのをためらう部分も大きいのですが、バック・トゥ・ザ・フューチャーは安心して誰にでも勧められる映画です。久しぶりに観ましたが伏線の巧みさ、それが後の出来事と繋がったときの気持ちよさ、画面の隅にたまに表れる初見で気付く人はほとんどいないのではないか?と思われる遊びとこだわり。そして何よりストーリーも音楽も良く出来ています。
今回の上映では音楽のパートが若干増えていまして、オリジナルでは音楽がなかった箇所にも音楽が振り分けられています。映画作品として考えればここにこんな曲はいらないのでは?と感じる人もいると思いますが、今回のこれは上映イベントであると同時にコンサートイベントでもあるのでこれで良いと思います。
すでに何度も映画を観ているのでどこで曲が入って、どのタイミングで曲のクライマックスが来てというのを案外覚えてしまっているのですが、ちゃんとぴったり一致するのが心地よいです。あまりに記憶との違和感がなさ過ぎてうっかり生演奏であることを忘れてしまうことがあるほど。これ、演奏する側にとってはかなり負荷の高い演奏なのではないかと思います。少しのずれも許されませんから。
今後はこのような映画の楽しみ方も増えるのかもしれません。来年にはレイダースとE.T.の上映イベントがあるそうです。

11/04/2015

スターウォーズ・フィルム・スペクタキュラー

JWFCフィルムハーモニック管弦楽団によるスターウォーズ・フィルム・スペクタキューラーを聴きに行ってきました。全6作からの音楽の演奏です。
MCを務めた神尾保行氏によるとスターウォーズの音楽を演奏するのは楽器構成が大変で今回の音楽アドバイサー戸田信子氏がロンドンフィルの知り合いに、今度日本でスター・ウォーズの音楽をフル構成(といってもDuel of Fatesのコーラスはなし)で演奏すると伝えたら「日本人はクレイジーだ」と返ってきたとか。
以前にStar Wars in Concertを観ましたがあのときは映像に合わせて音楽を演奏するという趣旨でしたので目はスクリーンに向いていました。なので、楽器の演奏や指揮に目を向けてこの音楽を生で聴くのは今回が初めて。



20世紀フォックスのファンファーレからメイン・タイトルに入るのですがこのメインタイトルの出だしはフォックスのファンファーレから上手く繋がるよう音が作られているので、次のディズニー配給のスター・ウォーズではどうなるんでしょうね?

さて、ジェダイの帰還からジャバ・ザ・ハットという曲を演奏したのですが曲中にチューバのソロがあります。あれね、凄いですよ。延々と。CDで聴いてるときは曲の一部として何となく聴いてましたが実際見ると大変そうだな、と。そばに医師と看護師が控えてていいレベル。

そして、休憩を挟んで新三部作に入ります。ここで指揮の山下伸介氏やコンサート・マスターの金子昌憲氏等がジェダイの格好で登場。そういえば休憩中にステージ上で楽器の移動する人達がトルーパーのかぶり物してずっと作業してたんですが、あれ、視野狭くてひやひやしました。
で、神尾氏が曲の解説でジャージャーの話をするときにさらっと「例の」ジャージャーの・・・と言ったのが印象的。あぁ、ここでもこういう扱いなのね。
運命の闘いはコーラスなしでの演奏でしたが、もうこれは名曲です。当時、この曲が紹介されたされ方も良かったと、というか得してる思います。まだインターネットで情報が容易には得られなかった時代、スターウォーズの新作が作られるという話にファンは少しでも情報を得ようとネットを隅々まで探し、たった一枚の写真からどんな世界が繰り広げられるのか想像をふくらませ・・・、そんなときに満を持して公開されたのが運命の闘いを使ったミュージックビデオで、メイキングの様子や映画のシーンの断片に興奮したものです。
今だったら情報を探そうものなら、うっかりかなり正確なネタバレを見てしまうリスクの方が高いですから、期待や渇望がギリギリの所で一線を踏み越えないでいられるよき時代でした。

ちなみに、エピソード2からはアクロス・ザ・スターの一曲のみ。あ、やっぱりこの映画の扱いは曲でもこんな感じか。この曲は綺麗な曲なのに逆に映画のせいで損しているのではないかと。エピソード2にはラブストーリーの要素も入ると聞いて「おいおい」と思ったものですが不安はそれを上回る形で見事に的中。曲と映像がリンクしてしまっているので、曲を聴く度にあんあシーンやこんなシーンを思い出してしまいいたたまれなくなることがあります。あ、映画での最後のヨーダの活躍は良かったですよ。やっぱり強かったんだ、と。いえ、疑ってませんでしたけどね。

エピソード3からはBattle of the Heroesが聴けて良かったです。今作のミュージックビデオがこの曲でしたが確か当初はファンの間での評価は芳しくなかったと思います。ぱっとしないというか、スターウォーズらしくないというか。でも繰り返し聞いているうちに耳に残って気に入ってしまうという不思議な曲です。
音楽に疎い私は未だにこの曲が何拍子なのかよくわからず、え?途中で拍が変わってる?などと思いながら聴いているのが常なのですが、ついに指揮者の動きを見ることが出来ました。へぇ~、と。結局、拍に関しては実はよくわからなかったのですが堪能しました。

アンコールはダースベイダーの死、うわっ、マニアックなチョイス。映画公開時にリリースされたサントラに入ってない曲で(【2015/11/05追記】わ〜、すいません、すいません。今チェックしたらサントラに入っていたようです。おかしいな、何と間違えたのかな。)、神尾氏も日本での演奏は初ではないかと言ってました。そかし、アンコールは勿論ここでは終わらず最後に王座の間からエンド・タイトルで終了。そりゃね、ダースベイダーの死でコンサート終わるわけにはいかないし、王座の間のあのブラスの響きをまだ聴いてないよなと会場の人の大半は思ってたでしょうから期待通りの終わり方でした。

実は正直、今度のスターウォーズに関しては以前の三部作ほど、いえ、全く気が乗っていなかったのですが少し前に公開された予告編と今回のコンサート体験で前向きな気持ちを得ることが出来ました。
予告編もお馴染みのキャラクターが出てたのもありますが、ジョン・ウィリアムズの曲を聴いたのも大きいです。音楽の力は偉大。

9/17/2015

マジックを英語で演技するに際して考えるあれこれ 2

前述の通り、日本国内では海外のお客様相手でも日本語の演技で構わないとの主張を自分でも実践してました。無理して英語で演技をして次のセリフで秘密の動作をしようと思っているときに、「え?」と聞き返されて何かのタイミングを失ったり、セリフを何度も言い直すうちに間が延び、集中力が削がれ、効果が減じてしまうリスクがあるなら、いつもの言葉での演技の方が総合点は高くなると思うわけです。とは言っても非日本語ネイティブの人に向かって演技を日本語でやり通すのはそれはそれで練習と気力が必要です。つい、変に間を取ってしまったりしていつもの演技と変わってしまいがちなのは経験ある方もいらっしゃるでしょう。

さて、3~4年くらい前に海外に遊びに行ったときにタクシーのドライバーの方やバーでバーテンダーの方と「もう少し話せると良いなぁ」と思い始め、それには英語を使う場が必要・・・そうだ、マジックの仕事場でたまに英語圏からのお客さんが来るじゃないか、と。ですから英語での演技の始まりはとても邪な気持ちでして、マジックの場を英語の練習の場としてしまおうと考えました。
ところで、マジックを英語で演じるというのは英「会話」の練習の手前段階としてかなり有効だと感じます。普通はそういう場がなく知識を入れたらあとは会話の実践の場に出るしかないのでしょうが、マジックの演技は事前に言うことを準備出来ますし、返ってくる反応もある程度予測出来ます。そして自分の発している言葉が通じてるかどうかもチェック出来ます。また、相手が話を聞くスタンスでいてくれることもメリットです。自分への興味と相手が話を聞いてくれようとする意志は相関があると思います。(例えマジックの力を借りようとも)自分が相手にとって興味深い存在であれば多少言葉が拙くても話を聞こうとしてくれます。これ、自分の発信する内容がいつまで経っても「日本に行ったことありますか?」「寿司は好きですか?」で、しかも発する英語が崩れていては、それは相手も疲れるしその場から離れたくもなります。

そうは言っても、最初は話す事に意識を持って行かれて日本語の時より手に意識は行ってませんでした。リソースメータは振り切ってましたね。発音も例えばplaying cardsがplaying carsになってたり(どう違うの?って興味ある方はこちらの動画で)、six of heartsがsix of hurtsになってたりとか、さらには完全なカタカナ発音になってたりとか、まぁ、色々と超えるべきハードルはあったと思います。(発音だけは自力では手に負えなくて人の所に押しかけたのが一年ちょっと前。このあたりの話はすでに一度書いています。ん? どこに書いたっけ?)

但し発音は、今改めて思うのは抑えるところだけ抑えておけばあまりシビアに追求しなくても伝わりますね。勿論、これもバランスの問題で発音の精度が下がるなら、その分、発する文は文法ルールから大きく破綻してないとか、リズムやアクセントがそこそこ適切である必要はあり、発音の精度が高ければ単語だけでも通じやすくなります。でも発音をある程度やっておくと、話すのが楽になるって面はあります。そしてその分、他に意識を向けることが出来るのはメリットです。

そして最終的にはどうしたら英語を話せるようになるかというのは実は私にとってまだまだ謎です。五年前はまだまだまずは頭の中で英作文をし、その脳内メモ帳に書いた英文を声を出して読むという感じでした。ようやく、日本語からの英作文をせずに話し始められるようになったかなって程度で、まだまだ言葉につまることもしばしば。ちゃんと話せている人がどうやってそこに至ったのかは興味ある話題でもあります。自分はこうやって克服したよって方法がある方は是非お聞かせ下さい。

・・・と終わりにしようと思ったところで1つ思い出しました。マジック的な視点の話を1つ。演技が始まってしまえば言葉なんてどうにかなってしまうと思いますが、演技を始める前、例えばテーブルホップなどでテーブルに入るときの「よろしかったらマジックご覧になりますか?」のような一言。これは案外盲点です。案外気が回らない。で、その場になってまごつきがち。でもお客様の空間に割って入るわけですし、ここであたふたするとマジックへの興味も半減してしまいますからここで発する言葉は出たとこ勝負でなくて先に考えておくと良いと思います。

9/07/2015

マジックを英語で演技するに際して考えるあれこれ 1

先日、マジックバー・サプライズにいらっしゃったお客様のグループがアメリカの方を含むグループで「演技を出来たら英語で」とのことでした。そのお客様はマジックへの理解もある方でして同時に「マジックのいつものリズムが崩れるようなら日本語で構わないです」とも言っていただいたのですが、色々と気付いたり考察出来る経験でした。
そもそも私は日本国内において海外からのお客様にマジックを見せる際には特別な事情がない限りは日本語で普段通りに演じて構わないと思っています。ブログにも以前書いた記憶があります。
しかし英語で演じることを否定しているわけでもなく自分の付加価値としてとか、キャラクター性の中で英語で演じるという選択肢を持っておくのはそれはそれでありかと。もし英語で演じるのならそのスタイルはキャラクターに合っている必要はあると思います。自分の世界を作るために衣装を選び、(通常時の)日本語のセリフを造り、アクセサリーを身につけ・・・とやっているわけですから英語での演技もやるならその世界を補強するものでなくてはならないわけです。決して流ちょうに話すべきと言っているのでなく、適切なときに適切な単語をぽんと一言発するだけにしても、その人らしいやり方があると思います。

普段接している中から二人例を挙げるならまず進夢氏。本人も言っていますが英語は決して得意でなくボキャブラリーも文法知識も忘却の彼方気味で当初は適切な一言を出すにも苦労したり、ひねり出した英語表現が伝わらず、どうしてもマジックの流れを壊してしまうことが起こってました。が、一年くらい経ったあたりから適切な単語がぽんと出るようになり、また、なまじ英単語のスペルの知識がないだけに信用するのは自分の耳しかなく、音がローマ字から連想されるカタカナに引っ張られることが少ないのが功を奏して聞き返される事態もあまり起こりません。
少し前に進夢氏がマジック道具を購入されたお客様に使い方の説明をしていたのですが、その道具、手渡しの際にロックがかかる機構でしてそのあたりの説明どうするのかなと思って見ていたら「ディス イズ シークレット ボタン」。いや、凄いと思いました。実際の機構はボタンではないのですが言いたいことはちゃんと通じてました。

もう一人はオーナーの龍生氏。こちらもご本人は英語が苦手と言ってるのですが、やはり現場で培った力というか、サプライズのオープン当初よりも現在の外国人対応力はかなり高いなぁと思って見ております。勿論決して現場経験で「自然に楽して」身についたわけでなく努力もされたのでしょうし、マジックに関する英語の文献も読んでいるとのことなので、そこからマジックに使う単語や表現を吸収したというのもあるでしょう。
ですので想像するに、現場経験を経ることで英語文献などに触れたときに使えそうな単語や表現を選ぶことが出来、それをまた現場で使う事でブラッシュアップされていく、という良いスパイラルが出来ているのではないかなと。何が凄いって日本語での演技時のキャラクターとテンションが外国人の前での演技でも全く損なわれませんから。英文のセリフを終始話し続けなくても外国人相手の演技を成立させられるという好例であると思います。

さて、自分の場合はどうかというと「秋元は英語が以前から話せる」と大きな誤解を受けていますが、海外旅行で不安がない程度の力はあったものの(<何も大きなトラブルがなかったときの話)会話力とか、マジックで流れを壊さないだけの英語表現スキルがあったかというと五年前は全くありませんでした。意識して改善しようと思ったのが三年前です。
先日久しぶりに有名な文法書のForestを読んでみたのですが(実は有名であるのは後から知った)、そういう日本語を使って英語を理解、みたいな経験をすると、今でもしばらくは英語を英語として(ホント、元からそんな高くはないですけども)は理解出来ない頭の使い方に戻ってしまい復帰させるのに数週間かかりました。その意味ではまだまだ定着していませんね。通訳とか翻訳とか今やったら(いや、出来るかどうかはさておいて)この三年の積み上げは一気にリセットされてしまうんじゃないでしょうか。所詮、未だにそれくらいということです。

※上にお二人の例を書きましたが、どうしても人のスキルの感想を書くと上からの物言いのようになってしまいがちで、それは本意ではないのですが、そのように見えたとしたら私の文章力の問題です。

長くなったので、その2に続きます。

7/29/2015

Google Voiceを利用開始

Google Voiceがコンピュータやスマートフォンから他の電話に向かって固定電話に3セント、携帯電話に9セント(2015年7月)で発信出来るサービスであるというあたりはGoogle先生に聞いてみて下さい。但し発信者の番号は非通知になります。これはGoogleが対応していないというよりはSkypeも日本の電話番号を発信者番号として使えないことと原因は同じで、詐欺などに利用されることを避けるための総務省の方針ということらしいです。
…ということよりも、ここで書いておきたいのは何が便利なのかという話。まず発信者の番号ですが日本の電話番号は取れませんが頑張るとアメリカの電話番号は取ることができます。一番まっとうな頑張り方はアメリカに行ったときに取る。または…、まぁ、このあたりの方法もGoogle先生が知っていることでしょう。なので話を進めます。



まず前提として、私はアメリカに行ったときにスマートフォンを日本と同じ環境、つまりポータブルWi-Fiルーターを持ち歩いたり、二台持ちになったりせずに使えるようプリペイドのSIMを使っています。私が使っているSIMはチャージすることで90日間有効になるので90日ごとに日本からオンラインでチャージしています。
SIMは旅行が終わる度にその都度使い捨てても良いのですが、わざわざ維持しているのは航空会社など幾つかのアメリカのサイトに自分の連絡先として電話番号を登録していたり、何人かの海外在住の知り合いに滞在時の番号として伝えたりしているので出来れば電話番号を変えたくないというのが大きな理由です。

さて、Google Voice番号には自分の所有している(アメリカの)回線の電話番号を紐付けて使う事が出来ます。例えば電話Aと電話BをGoogle Voice番号に紐付けると、Google Voice番号に着信があると電話AとB、さらにコンピュータやスマートフォン上のHangoutsの着信音が一斉に鳴りだし、どれからでも通話を開始することが出来ます(また、Hangoutsから発信すれば発信者としてGoogle Voice番号が相手の端末に表示されます)。ということは今後はGoogle Voice番号を海外のサービスや知人に教えておけば、その下にぶら下がっている電話番号が変わっても紐付けし直せば外側から見たら全く変更がないことになります。ほら便利。

また、今までは日本に帰ってきてしまえばSIMを通常利用の日本のキャリアのSIMに入れ替えるので、アメリカ滞在用番号に着信があっても受けられなかったのですが、Google Voice番号への着信は前述したとおり日本にいてもHangoutsは鳴るわけです。また不在着信をメールで知らせてくれるようにすることも出来ます。

さらにこの着信音を鳴らす端末は例えば平日は電話Aを鳴らし、週末は電話Bを鳴らすとか、誰は留守電に応答させて誰は着信させるとか細かく設定出来ます。さらにこれはまだ試していませんが留守電の内容をテキストメッセージにして受け取ることも可能です。これ、英語のリスニングは大変ですが文字でやって来るなら負担減りますね。そうそう、通話を録音したり、通話の途中で使っている端末を切り替えられる機能も便利かもしれません。

最大の難所は、前述の通り、Google Voice番号の取得なのですがそこをクリア出来ればなかなか便利ですので、機会があったら皆様も是非。

6/29/2015

海外旅行の際のスマートフォン利用 プリペイドSIMについて

スマートフォンで店の検索、スケジュール管理、コミュニケーション、SNSへの投稿など色々な事を普段行っていると海外に行く際にも同じ環境を使いたいと思います。いや、むしろ慣れてない土地でこそ力を発揮するアプリすらあるわけです。しかしそこで立ちはだかるのが高額なデータ通信料の壁。以前は海外では定額ではなかったために帰国したら十万円もの請求が舞い込むなんて事もあったようですが、今は定額制を導入しているキャリアもあるのでそこまで悲惨なことにはならないと思います。
とは言っても(以下、アメリカでの利用で考えますが)、例えばNTTドコモの場合、20万パケット、大体24.4MBまでで1980円。それを超えると使用量に応じて上がり、20.5万パケットで2980円。以降はどれだけつかってもこの額です。日によって沢山使ったり、そうでもなかったりとあるでしょうし、極力はホテルの部屋のネットを使うようにしたとしても5日間の滞在で10000円くらいは使ってしまいそうです。詳しくはこちら
一方でポータブルWi-Fiルーター、これは幾つかの会社がやっていますが概ねアメリカであれば一日1000円前後。ということは5日間で5000円ってところでしょうか。かなり安く利用出来ます。但し、使いたいときに電源をオンにして使い終わったらオフに、というのは面倒だしプッシュ式のサービスを常時受けることが出来なくなってしまいます。その点に関しては常にルーターの電源を入れておけばいいのですが、いずれにしても荷物が一つ増えます。また、通話に使えないので現地で連絡を知人と取り合ったり、日本でのときのようにどこかの場所を調べてその検索結果から即電話というようなシームレスな連携も出来ません。短期間の滞在でどれだけ音声通話が必要なときがあるかは人それぞれと思いますが日本での利用より若干不便になる点は否めません。
それでここ5年ほど私が利用しているのが現地のプリペイドSIMの利用。使っている電話がSIMフリー機であれば、日本で使っている会社のSIMを抜いて、現地のSIMを刺せば現地の料金体系で(SIMの契約内容によりますが>)音声通話もデータ通信も可能になります。大まかに書けば、SIMを入手してそのSIMに数十ドルくらいをチャージ。これはオンラインで行えますが、この段階ではスマートフォンでネットはまだ使えないので、ホテルの部屋で行えば良いでしょう。そしてスマートフォンのAPNを設定したら(これは慣れないと面倒ですが指示通りに入れていけば良いので難しいことはあまりないです)それで使えるようになります。
以前はAT&TのGoPhone用SIMを使っていたのですがこれは最初にSIMを有効化(アクティベーション)するために、そのSIMの電話番号でSMSを受け取る必要があります(2010年頃の話です)。ということは現地入りしてからでないとこの作業が出来ないので少々面倒でした。


そこで最近使っているのがH2O WirelessのPay as You Goのプラン。SIMはeBayあたりで入手して、チャージ用のPINナンバーはオンラインで購入。アクティベーションでSMSを受ける必要がないので事前に日本で済ませられますし、チャージもオンラインで可能です。料金は10ドルのプランからあり、データは1MBあたり10セント。私、外では30MBくらいしか一日に使わないので5日の滞在なら150MB、ということは20ドルもチャージしておけば充分って事になります。一回のチャージでその日から90日有効となるので維持費と思って90日ごとに10ドルのチャージを日本から行っています。
一回の滞在で使えれば構わない、維持の必要がない人はそのまま放っておいて構わないでしょう。
ポータブルルーターがそこそこ安価に利用出来るので総合的にはこちらの方が良いとの判断ももちろんありです。しかし、いざ海外で行動してみると知人との連絡や、予約したレストランに少し遅れそうなとき等々、なければないで良いものの通話が出来れば少しだけ便利というシーンも少なくありません。そんなときには現地プリペイドSIMが便利です。

6/22/2015

フォトブックの奨め

私、数年前までは食事に行っても、旅行に行っても、そういった状況で写真を撮るのが苦手でした。写真を撮ることを気にすると本来の目的を楽しむことが出来なかったんです。なのでデジタルカメラを持ち歩くこともあまりせず、スマートフォンのカメラも積極的に使うことはしてませんでした。
ところが、ミラーレス一眼を買ったのが二年前。そもそもどうして買ったのかは、ま、色々あるのですが、とにかく遊んでいるうちに写真を撮るのも悪くないと思い始め、現在に至っております。 確かに写真を撮り慣れて撮ることにストレスがなくなってくると、「あ、撮っておいて良かったな」と思うことが少なくありません。特に撮った直後よりも時間が経ってから見返すとその思いが強くなります。
が、見返すと言ってもそこは今やデジタル時代、多くの人にとって写真を見るのはスマートフォンやタブレット、コンピュータなどのモニターであることがほとんどで、プリントアウトしたりアナログな意味でのアルバムを作ったりということはあまりないのではないかと思います。 話は逸れますが写真のアスペクト、4:3とか3:2あたりがメジャーで16:9はまだまだ少数派だと思います(スマートフォンの初期設定が16:9で、それを直さないまま何となく使っている例は除く)。が、私は最初からほとんどの写真を16:9で撮っています。これは後で見返すときに、折角ならスマートフォンの小さいディスプレイより大きいテレビ(自分の家で最も大きい表示デバイスはプロジェクターを除けばテレビです)で見る方が楽しめるわけで、そのテレビの画面に収まるようにと考えると必然的に16:9になるわけです。 で、話を戻すと、そうやって日常では何らかのディスプレイで写真を見ることがほとんどですがたまに今まで撮った写真を昔ながらのアナログ的意味での写真っぽく見てみたくなります。わざわざ光沢紙に印刷してみることもありますが、何種類も印刷するとそれはそれでかさばるし・・・ということで目を付けたのがフォトブック制作サービス。



写真管理はMacのApertureで行っているのでこのアプリケーション上でフォトブックを作ってその流れでオンラインで注文出来ます。しかもクオリティもなかなか良く、到着も早い。今回の場合、注文した翌日には発送通知が来てそのまた翌日には届きました。全部で三日。ちなみにApertureが使えることはMacの利点としてぱっと思い付く3点のうちの1つです。ちなみにWindowsの利点として浮かぶのも3つ。引き分け。

6/16/2015

学校の勉強で実生活に直結して役立ってるものと言えば

学校での勉強は役立つか? からの続きです

さて、一方で学生の頃にやって実生活に目に見えて役立っているのは英語。お客様の中に外国人がいたとき、興味ある映画、商品の情報を調べるとき、コンピュータやスマートフォンの使い方で躓いたときなど、日本語のみと英語まで範囲を広げた場合では得られる情報量や速度に(必ずしも質ではないけども)圧倒的な差がある。好きな小説や映画が早く手に入れられるなどの目に見えての得もある。一つ一つはささやかであってもその積み重ねは案外大きい。
そしてつくづく自分の英語力の基盤は中学・高校英語で培ったものだと感じる。おそらく知識的には以降、ほとんど上積みされていない。むしろ全体的には減ってる。気になる記事を読んだり情報収集などをたまにしているので、そこから得る知識が少しあり、同時に力の急降下は招かずに済んでいるが、留学経験があるわけでもないし、日常的に英語圏の人と接する環境があったこともないし、あくまでもベースは学校英語と言い切れる。それに、高校英語までで大抵の言いたいことは言えるはず。
が、これを大人になってから1から身につけるのは時間的にも労力的にも相当大変だと思う。ならば、学生時代やらなければいけないときにやって、極力忘れないようにしておくのが効率が良い。一部から批判されることもある学校英語だが基礎から体系的に学ぶ方法として全く間違ってない。
そんなことを常々たまに(<どっちだよ)主張している割に英検もTOEICも受けたことがなく客観的評価を持ってなかったので去年受けてみたことはこちらに書いたが、スコア、もの凄く高いわけではないし、そもそも世間的にこのスコアだったらこれくらい出来る、といわれていることを見て「いや、そんなに出来ないよなぁ」と思う。それだけの伸びしろがあると前向きに考えることにしているが。


でも言えることは特にTOEIC学校に通ったわけでも、頻出単語を集中的にやるなどして最適化をはかったわけでもなく(形式に慣れる練習はした)、高校英語がベースであとは実生活で興味ある対象に触れることでこれくらい。
日本で生活していると学校でも日常生活でもなかなかアウトプットの練習をする場がないのが難点だけども、逆に言えば高校英語までがそれなりに入っていれば、もうあとはアウトプットの練習だけ。一方、それがないまま「とにかく場数が大事」主義に走ってしまうと相手の推測力に依存しつつ自分のあまり高くない力量で上手いこと伝えるテクニックが身についてしまう。
人から聞いたエピソードで、その人は学校の研究室などで海外から留学してくる人と接する機会が多く、同時に別のエリアで海外から日本に働きに来ていて現場で日本語を覚えた人達とも接する機会があるとのこと。曰く、前者の人々は配属当初はほとんど日本語が話せない。でも、そもそも日本に留学してくるということは事前に日本語の勉強も文法から語彙からやっている。すると半年から一年でかなり正確な日本語を話せるようになる。一方後者の人々は事前に日本語の勉強をしたわけでなく、現場で必要な単語、コミュニケーション術を身につけて日々仕事を支障なく行っている人々で、こちらの日本語は単語の羅列になりがちだったり、語順がおかしかったりするのだそう。業務には支障がない。
もちろん、どこを目指すかは人それぞれで目標とそれに要する労力のバランス点を各自の基準で見出せば良い。
語学留学したり、学校に通ったり、教材買ったり・・・お金や道具を使う方が楽に身につけられる気がするが、何事も魔法の方法はない。そこにお金と時間をかけるなら学校英語を自習するのが最もコストパフォーマンスが高い。その上で、そのお金はアウトプットの練習の機会を得るために使う方がきっと良い。

学校での勉強は役立つか?

数学や物理が比較的好きだったために未だにふと数学の問題や電車で見かけるシカクいアタマをマルくしてくれる問題(算数限定)は解いてみることがある。数独も数学のルールを使ったパズルではあるけども、一件複雑な問題が視点を変えた途端に、または発想の飛躍を得た途端に、一転して見通しよく解けるようになるというダイナミズムは数独では味わうことが出来ない。
また、同じ問題を特にしても力業で強引に答えを得る方法から、綺麗にとても効率よく解く方法まであり(エレガントな解法と評される)、如何に楽して格好良く綺麗に解くことが出来るかを考えるのもまた楽しい。
数学問題の解答に限らず、料理、マジックをはじめとするパフォーマンス、音楽、映画、絵画などそれらが持つ価値や質をどう受け取るかは受け手のアンテナに依るところが大きい。例えば私は残念ながら将棋とは相性が悪く、優れた頭脳が作った詰め将棋に対しても「難しいなぁ、凄いなぁ」程度の感想しか持てない。その分、ちょっと損をしているのだと思う。数学や物理の入試問題にしてもその道のプロが作ったものであり、幸いそれを楽しいと感じたり構成の巧みさに舌を巻いたり、という感覚はまだ少しは維持されている。
それだけでも、学校の勉強は人生の役に立っていると思う。
直接的に生活が楽になったり金銭を得ているわけではないが、その視点から「こんな勉強しても将来何の役にも立たない」という常套句で勉強を退ける態度に投げる言葉があるとすれば「短絡的な意味で役立つことだけしかしない人生はきっと味気ないものになる」だろう。
何度も解き方を吟味するという意味では、有名なパズルに「12枚のコインの中に重さが違うコインが1枚あり、それを天秤を三回だけ使って探し出す」というのがある。考える際に最初は記号を2つ、例えば○が11個と×が1個、で取りかかりがち、そして途中で混乱を招きがち、だがその考え方から抜け出せると急に考えやすくなることに気付いたときは一人で「そうだよなぁ」と納得していた。

そうは言っても暗記全般は大の苦手で社会科などは「こんな知識将来使わないだろ」と言って勉強を放棄していたわけで、おかげで自分内アンテナは世にある娯楽や刺激の一部にとても感度が低い。

学校の勉強で実生活に直結して役立ってるものと言えばに続く

4/22/2015

電話が使えない一日

先日、一日電話が使えなくなりました。原因はSIMの不具合が生じてたのですが(普通より抜き差しの回数多いのでそれはそれで仕方ないかと)、その原因がわかったのは後の話で、丸一日電話もデータ通信も使えない日を送りました。

もう今や音声通話は日頃からほとんどしないので良いのですがデータ通信が外で使えないというのは、メガネをなくしたのび太くん状態ですよ。全く。
その日は今まで行ったことがない場所に行く用事があったのですが最寄り駅までの乗り換えを事前に調べておかないといけない。さらに最寄り駅から目的地までの地図も数年ぶりにプリントアウト。
スマートフォンが使えていればとりあえず電車に乗ってから路線検索をして、最寄り駅まで連れて行ってもらい、駅から出たらGoogleマップをGPSオンで開いてとりあえず歩く。で、画面内の点の位置と動く方向から位置関係を把握してGPS使って地図見ながら目的地まで、・・・とやるところですがその手が封じられているわけですべて事前にプリントアウト。
そして家から出てから気付いたのが目的地のビルの何階なのかがわからない。今はメトロの駅の幾つかでは公衆無線LANが使えるので駅に停まるごとに慌てて検索したりメール送信して何階かを聞く・・・ものの、すでに最寄り駅に着いてしまい返信が来ていないので結局何階かはわからないまま目的地へ。念のために駅の地図でもう一度出口の向きと道順を確認し・・・そうか、駅の地図は必ずしも北が上なわけではないんだった。
これ、確か駅の地図はその向きに独自ルールがあるんですよね。さっき少し調べてみたもののわかりませんでしたが確かあったはず。だからいつもGoogleマップとパッと見食い違う。みんなが日常見ているネットの地図は最近では大抵が北が上なわけでそろそろ駅の地図も北が上って事でいいじゃないでしょうか。と、私は思うものの急に変わるとそれはそれで混乱する人もいるのでしょう。
結局、同じ目的地を目指している人に途中で出会い、その人は機能する電話をちゃんと持ってたので、それでもかなり周辺を歩き回った後に、目的地まで辿り着くことが出来ました。
ワープロが世に出てからというもの漢字が恐ろしいほど書けなくなり、というか、「恐ろしい」という漢字すら書けなくなり、路線検索サービスに頼るようになってから都内の電車路線図を意識しなくなり(昔はシステム手帳に路線図を入れていたものでしたが)、GoogleマップとGPSの組み合わせを使うようになってから地図を片手に目的地に向かうことが苦手になり・・・と、次第に人としての能力が失われていることを実感した一日でした。
かといってそれら失われた機能を体内に取り戻そうと反省したわけでもなく、データ通信可能なタブレット必要かもなぁと思ったのですが。

4/20/2015

ラスベガスのリビエラホテル閉館

ラスベガスのリビエラホテルと言えばマジック的には島田晴夫氏がスプラッシュというショーに五年間出演されたことで有名なホテルです(今はDirk Arthur氏がショーをやっています)。そして1955年4月20日にオープンしたリビエラが遂に2015年5月4日に60年の歴史に幕を閉じます。
このあたりのいきさつやリビエラのラスベガスにおける位置は老舗サイトであるラスベガス大全が詳しく書いていますが、簡単に説明しますと当時、他に類を見ない客室数、プールなどの施設、カジノ、装飾品で華々しくオープンし、ラスベガスのエンターテイメントの中心として数々のスターが活動の中心としたホテルです。
時代がホテル総テーマパーク化時代へと移行し、ストリップの中心が南下し北ストリップ地区に存在していたフロンティア、スターダスト、サハラが解体されたり閉鎖されたりで観光客の流れが変わってしまったのも一因かと思います。
個人的には数回利用したホテルであり、フードコートでハンバーガー食べたり(まだこのフードコートあります)したホテルでもあります。フーディニ・マジックショップが台頭してきた後も、昔ながらの風情のマジックショップがあり扱っている道具も本格的な物もありました。ディーラーのお兄ちゃんに、店終わったら面白いところに連れて行ってやると言われ、夜中の閉店時間に行くと日本では車検に通らないようなガタガタのクルマで色々連れて行ってもらったりしたこともありました。


現在リビエラまで足を運んでみると他に周辺にあるホテルはサーカス・サーカスだけです。こちらは今でも日中にサーカスのパフォーマンスをしており家族連れで賑わっていますが,フォーコーナー周辺の賑わいと比べると別世界と言うほどの差が付いてしまっています。
リビエラの中に入るとさらに閑散としてしまっていますが、かつての人気ホテルの面影を垣間見ることが出来ますので閉館前にラスベガスに行かれる予定のある方は立ち寄ってみると良いかもしれません。

4/07/2015

シネマグラフ

遅ればせながら作ってみました。なかなかシュールで良い感じです。
でも、GIFアニメってFacebookに貼っても動かないんですよね。何か良い方法ないでしょうか?


最初のシネマグラフなのでとても標準的な素材(流れる液体)ですが、これどこを止めてどこを無限ループさせるか、なかなか考えどころです。

3/28/2015

15.0% アイスクリーム・スプーン

15.0% アイスクリーム・スプーンってご存じでしょうか? 固いアイスクリームをスプーンですくうのには案外苦労しますが、このスプーンはアルミニウムを15.0%含んでいるため熱の伝導率が高く、体温がアイスクリームに伝わりやすく、力いらずでアイスクリームをすくい取れる・・・らしいと聞いて、スプーン存在を知った直後にネットでオーダー。
しかし、人気商品かつ職人さんの手によって丁寧に作られるため生産が追いつかない状態。オーダー後、一ヶ月で遂に到着しました。
さっそく、アイスクリームを購入して普通のスプーンと比較したのが以下の動画です。冒頭でも書いていますがマジックっぽい部分は編集魔法を使ってます。でもCGや合成はつかっておりません。
実のところ、アイスがそれほど固くなかったのか普通のスプーンでも案外簡単にすくえるんじゃ? と思ってしまったのですが15.0%アイスクリーム・スプーンを使ったところさらに少ない力でススっとスプーンを差し入れることが出来ました。
動画、何で英語なの?って話もありますが、あれですよ、いんたーねっつって世界に開かれてるって話じゃないですか。日本のスプーンを紹介するためにもここは1つ・・・というよりもこうでもしないと練習しないといういつもの理由です。あと、たまにこうして撮っておくと自分の向上、または低下具合が記録に残るかなという全く持って個人的な理由です。
それはさておき、夏場にキンキンに冷えた(そして結果としてカチカチに固まっている)アイスを食べたい方、今からオーダーして今年の夏に備えましょう。
ちなみにこのスプーンがどうやって出来るかは以下の動画をどうぞ。最後の磨きの工程をみると「そりゃ時間かかるわ~」と納得します。

1/30/2015

学生のうちに英語やっとくのが結局は得&発音は難しいなぁ

先日マジックを見せる場で高校生のマジッククラブのグループが目の前に座ったことがあり、演技の後の雑談でアドバイスを求められたりという展開になりました。マジックについてどう語ったかは(<何故か「騙る」が先に変換候補に来るんですが?)ここでは割愛しますがもう一つ言ったのが「英語はやっておいた方が良い」と。
この10年くらいで周囲の同世代前後の人を見渡すと多くの人が「こんなことならもっと英語をやっておけば良かった」と口にします。20代の頃よりそう口にする人が増えている印象。これって20代の頃は英語など関係なく手が届くところにスキルアップの機会や趣味を楽しむ機会、興味ある知識を広げる方法がありそれらが新鮮で刺激的なのだと思います。
しかし、それらを消費してしまうと自分の手が届く範囲に限界を感じ始め、英語が出来れば趣味の情報をもっと迅速に手に入れられる、深く調べられる、仕事上のスキルアップの機会が増えると思うようになる・・・のが30代後半以降くらいに訪れるのではないかと。
しかし、我が身で考えてもそうですがまったく未知の言語をいまからじっくり取り組む気力・集中力や時間があるかというとよほど覚悟を決めて取り組まないとダメだろうなと思います。だとするなら学生の時にどうせやらなくてはならないのだし、毎週継続的に数年間も先生が教えてくれる環境で基礎を身につけ、それを忘れないでおくのが効率的です。
私も偉そうに書いていますが今も堪能なわけではないです。が、中高時代にすでにマジックや映画が好きで英語が出来たらその趣味の世界が広がるだろうと思い、大学受験時に単語を暗記して詰め込むのは大変でしたがどうせ受験にはやらなくてはならないことだし、きっと大人になって遊びや趣味の世界を広げるのに英語は役立つだろうから、今やったものを忘れないのがお得だろうと、そんなことを考えて取り組んでました。
だから堪能ではないですが今の自分の力で「もっとちゃんとやっとけば良かった」みたいな後悔はないですし、まぁ、英単語や文法、実は結局割と忘れちゃってますけどそんなに改めて勉強し直しを迫られたこともなく日々過ごせています。

さて、そうは言っても英語の音に関しては独学ではこれ以上はどうにもならないと思い、人に教わることにしたというのはここに書いたとおりです。正確にはこの音声を聞いているうちにご本人にお会いしてみたいと思い押しかけたわけですが、そもそもその音声を聞いている中で、目から鱗の解説が色々あったんですね。
例えば日本語のイとエの中間の音と形容されることがある[i]の音。hitとかbitとかを言うときの音ですが口をイからエの形に移行させていって、その途中のどこで止めてもこの音にはならないらしいんですね。では実際はどう出すのか、どう練習するのか、そんな解説でほほ~っと思ったわけです。間の音と言えばアとエの中間と言われることが多いappleのア。ですが、これも口をアからエに移行させるどこで止めてもその音ではない。・・・という話はちょっとここで触れています。
ここで質問しているのが私、答えているのが発音の先生の藤井Atchanです。最初は自分の下手な音をネットで公開するのもどうかなと思ったのですが最近はさすがに開き直りましたね。当初は顔を出さずに音声だけでとやっていましたが2015年からは姿を出した動画を公開できるはず。
動画をもう一本。下のは単語ではなくて文章をどう言うか。I want to do it.の過去形、I wanted to do it.ってted to do のところが言いづらいなぁ、と常々思っていまして、どう発音したら楽でしょうか? って話です。
話している姿が見える方が、どんな人がやっているのか見ている方にも伝わりやすくて良いかなと思います。ただ、本気で音を練習しようと思うとこの動画の解説では足りてないです。この動画の位置はあくまでも教材のプロモーションというか、教えている人がどんな人か知っていただき、その人の教え方とか実際の発音を見てもらうことが目的で、ちゃんとやりたければ一からこつこつやってね、と。マジックに「これさえマスターすれば一ヶ月であなたもプロの腕前に」などという魔法の方法がないのと同様、音も本当にやりたければ地道な方法が結果的には確実な唯一の方法です。
などと、道をのぼりきっていない私が言うのもどうかと思いますが、練習中の身からの実感です。

【追記】
本エントリ初出時に二番目の動画の説明と内容が違っておりましたので、本文を修正しました。

1/26/2015

イタリアンレストランCAROのビデオが出来るまで

以前に、作っているビデオのカットがなかなか気に入らなくて何度も撮り直しをした話は書きましたがやっと完成しました。イタリアンレストランCAROさんが2月に五周年を迎えると言うことでお店のプロモーションビデオを作っていたのですが作っている過程で色々気付きがあったり、完成したと思ったら直したい点を発見してしまい、また直す・・・の無限ループに入りかけたりで、後半の修正作業はもう私の自己満足の世界に入っていた感があり、度重なる追加撮影にスタッフの皆様を付き合わせてしまった形です。
何度も作り直したと言うことはお蔵入りになったバージョンがあるわけでその供養のためにここに一部をご紹介。

まず最初に見通しを立てるために、数点の素材を撮ってつないだのがこちら。
全体の流れは店内>調理シーン>料理の紹介にしようとこれを作りながら方針を立て、画の種類や構図もイメージが固まりました。冒頭の文字の出方は採用したものとは違うイメージがあったのですが手元の編集環境(FCP X)で実現する方法がわからずに別の方法を採用。今見るとこの動画でも案外形になってんじゃないの? と思ってしまいますが、まぁ、自分的にはあり合わせ感がそこここに感じます。
そして、このイメージに沿って欲しい画の具体像も出来たのでそれに沿って撮影して、曲も変えたのがこちら。
はい、反省点を挙げると、カメラを横に振るのはやってみたかったもののやはりイメージに合わない。あとワインを注ぐのは食事の前じゃ? とか。細かいところでは曲のスタートをもう少し遅らせた方が良さそうに感じたり、等々。で、直したのがこれ。
ほぼ完成、と思ったものの冒頭の看板のシーンのカメラの揺れが気になり録り直したり、また、41秒のところでミネストローネを皿に盛るシーンがあるのですが、もう少し構図としては寄って撮るべきだったと反省。さらに、シーンの切り替わりのタイミングを曲に合わせたいと感じたりして直したのがこちら。本当はこの間に4バージョンくらいあるのですがそこは割愛。
撮り直したミネストローネは49秒あたりから。あと冒頭の文字の出方、どうしてもイメージしていたとおりに作りたくてここだけAfter Effectsで作りました。
今度こそ完成、と思ったものの特に後半で料理が次々と出てくるところ、カットの切り替わりのタイミングを曲のリズムに合わせ過ぎていて、それと料理の構図がどれも似ていることとの相乗効果で動画のリズムが死んでしまいました。そこで、ここに来てシーンの順を大きく変更し、文字位置や幾つかのシーンの微調整をして遂に完成したのがこちらです。
本当に今度こそ完成。1月中に何とか間に合いました。

こちらのイタリアン(Facebookページもあります)、この地域って何故かイタリアンのお店が多いのですが一通り食べてみた結果、ここの料理の味、スタッフの方々の人柄が気に入ってしまい、美味しいものが食べたくなるとつい足を向けてしまうお店となりました。
みなさまも是非、お試し下さい。

1/20/2015

マジックのやり方がばれてしまうのは誰にとってデメリットか?

オチが重要な創作物、例えばミステリとかサスペンス映画とか、の話を知人と電車の中やレストランなどオープンな場所でするとき、結構周囲に気をつけます。まだその作品を知らない人の耳に私達の会話がうっかり飛び込んでしまったら、その人が将来得られるであろう驚きを奪ってしまうことになりかねないからです。

さて、故意であれアクシデントであれ何らかの理由で演じているマジックの手法を観客に知らしめてしまったとします。これはマジシャンの間で一般的に良くないこととされています。「何故なら、マジックの手法はマジシャンの共通財産(完全オリジナルの場合もありますが、多くのマジックの方法は過去から現在までの多くのマジシャンが使っている原理・手法を利用しています)だから自分一人が勝手に公開することは多くの同業者に迷惑をかけることになるから」という理由を割と耳にします。とても教科書的模範解答だと思います。揶揄するつもりはないですし、当然それも理由の1つです。が、あまり考えもせずにそれを唯一の理由として右から左に渡す人が少なくないのも事実。
私が常々思うのは、同業者に対しての迷惑だというなら、それは大きく範囲をとればいわば身内の問題であり、ペナルティが課せられるなり「もっと練習してね」と言われるなり、それでやってしまった事実は消えないけども対応や対処はそれなりにあるだろうと。
それよりも大きいのは何の罪もない観客から彼らが今後体験するかもしれないマジックの不思議を奪ってしまうことだと考えています。例えば私がマジックを下手に演じてしまってキーとなるテクニックのやり方が観客に伝わってしまったとします。するとその先、その人がマジックを見るときには常にそのテクニックの存在が頭にちらつき、上手なマジックを見ても以前ほどは感動を得られないかもしれません。
ミステリであれば(もちろんミステリのオチを先に伝えてしまうのもなしですが)最後に答え合わせがあります。自分が知ってるあの方法かなと思って読み進めても最後に違ったとなればそこには驚きや作者の創意工夫への感心も生まれるでしょう。が、マジックは答え合わせがないパフォーマンスです。なので実際には観客が知っているのとは違う手法を使って不思議を成立させていても観客が「自分がうっかり知ってしまったあの方法で大体説明つきそうだなぁ」と感じてしまったらかなり厳しいわけです。
現実問題として全てを90点以上の演目で構成するのは難しいこともあり、75点の演目を人前に出すことで最後のブラッシュアップと計ることもあります。しかし、観客が今後の人生で体験する不思議の割引券を渡してはいけないと、それは肝に銘じる必要があると感じています。

1/17/2015

制作中のビデオ

みなさま、明けましておめでとうございます。あ、もう17日だ!
さておき、この一週間くらいあるビデオを作っています。マジックのビデオではなくお店の宣伝用ムービーという感じのものですが90秒のための素材の総尺が現在ですでに30分くらいあるのではないでしょうかね。大したことないようですが素材尺の20倍、と書くと分量の実感がわきます。
大抵こういうビデオを作るとこだわり始めてしまい終わりどころがなくなるというのがマイ定番です。カットの切り替わりの微妙なタイミングを1/30秒単位で合わせ始めてしまい、その違い誰もわからないだろうなと思いつつ、でも気になるとつい直してしまう。しかも今回はお店が近所であるが故に気に入らないショットは撮り直しに容易に行けるのです。これがまたなかなか作業が終わらない原因。
Facebookにアップする(例えば)料理写真であっても、大体、2〜6枚は撮って選んでいるのですがこれが動画になっても結局同じで例えば入り口を撮影した最初がこれ(動画から切り出した静止画です。動きません。はい)。
店の営業中に撮る必要があったのでカメラは手持ちでさっと速やかに撮影、と思っていたのですが持ち帰ってみるとやはり手ぶれが気になる。ということで後日、三脚を持って撮り直しに行ったのがこれ。
今度はぴたっと画が止まりました。けど、見ているうちにどうにも納得がいかない点が。奥の方、画面で言う右端に給湯器が映ってるんですね。最初に撮った方は下半分しか映っていないからまだ良いのですが、今回のは気になる・・・。撮ってるときに気付けよ、という話でもあるのですがカメラのディスプレイで見ているとついうっかり見過ごしてしまい、後で気付くというのはたまに起こります。まぁ、これが移動に30分とかかかる距離だと手元にある素材でまとめようという気にもなるのですがなにしろ徒歩で行ける距離。そして、また録り直したのがこれ。
今度は満足。実際にはそれぞれに微妙に角度を変えて2〜3カットずつ撮りましたから、そんなこんなで素材が増えていくわけです。それでも遂に昨日完成しました。・・・と思って一夜明けて見返してみると、また気付いてしまいましたよ。気になる点に。このムービー、来月中旬に出来ていれば良いのでまだ時間もあります。もう一回だけ最後に直すか。