10/18/2017

英語のセリフと関係代名詞の必要性

さて問題です。以下の文を英語で何と言うでしょう?
・ショーの最初に(私が)テーブルに置いたカードは、私の予言です。
タイトルに関係代名詞と書いてしまってるのでそれがヒントになってしまいますね。
関係代名詞と言えば学校で文Aと文Bを一つの文にするために使うとして練習問題を機械的に沢山解いた経験がある方もいるでしょう。例えば、
I dropped the iPhone X. + I bought it yesterday. > I dropped the iPhone X (which) I bought yesterday.
です。which はある方が構造は見えやすいですが往々にして省略されます。
私自身、どうせ同じこと伝えられるならややこしいことしないで2文のままでいいじゃん、と思ったものです。
I bought the iPhone X yesterday. I dropped it. でも
I dropped the iPhone X. I bought it yesterday. でも
言いたいことは伝わります。しかし一文でスッと流れる方が話すときの実際の気持に近いので(そうでないときもあるでしょうが)、言いたいことの漠然としたイメージをわざわざ二つにわけるのは一手間かかります。その分、言いたいこと、リズム、スピード感が実際の気持ちと離れてしまいます。
上の例で言えば
I put a card on the table at the beginning of the show.
It's my prediction.
と二つに分けても言えますが、分けてしまうと、一気に言えない感がストレスになります(演出効果を狙って二文に分けるというのも当然ありです)。もちろん、二文に分けようが単語だけになろうが必要なことを伝えられることが最も大切であり、それで十分ストレスなしという場合はそれで良いです。しかし言いたいことを分割する一手間のストレスや、その結果の実際に言いたいこと、リズムとの薄利を少なくしたいときには言い方を工夫する必要があります。そのために色々な言い方があるとも言えるでしょう。

もう一つ、最初のうちは言いたいことがまず日本語で浮かぶと思いますがこの手の文が難しく感じるのは主語と動詞のセットらしきものが2つあるからです。
I put a card.なら思いつきやすいし、It's my prediction.も言いやすい。しかし、「私がテーブルに置いたカード」は「私の予言です」が英語にしづらいのはまさにこの二つの文っぽいものが組み合わさって一つの文を構成していることが原因。英語は一文に動詞が一つが基本なので
I put a card on the table is my prediction. はあり得ません(<簡略化のために「ショーの始めに」、は省略)。これにはputとisが同居してしまってます。言いたいことに主語と動詞らしきものが2セット含んでしまったら片方は工夫して対処する必要がありでその方法が分詞だったり関係詞を使うことだったりします。これらは英語を複雑化するためにあるのではなく言いたいことをその気持ちのままに言うためにあります。

あ、書きたいことを書き切っちゃったので、危うく上の文の英文を書き忘れるところでした。冒頭に挙げた日本語、ここで言いたい背骨の部分は
The card is my prediction.
です。なのであとはどうThe cardを説明するかを考えれば完了です。というか話すときは時間をかけて英作文してるわけではないですが言いたいことのメインはThe card is my prediction.であるという感覚は重要です。そしてThe cardに説明を加えよう、どうやって?と来てThe card (which) I put on the table at the beginning of the showとなるわけです。これが主部。動詞は元の文と同じくisで全体では
The card I put on the table at the beginning of the show is my prediction.
となります。

【2018/02/16追記】
YouTubeチャンネルにマジックに使う英語フレーズの解説動画のアップを始めましたのでこちらもご参照ください。

10/16/2017

英語っぽく言おうとして却って間違えてしまいがちな単語

海外の人を前にマジックをするときに多少なりとも英語を混ぜて演技することもあることと思います。マジックを見せているという状況下であれば案外カタカナ発音でも通じることも多いです。しかし、せっかくなら通じやすい方が良いよねと発音も英語に寄せようとしたときに英語っぽくしようとしすぎて間違えてしまいがちな単語をご紹介。

まずはmagicですがgiのところ、マズィックではありません。あくまでもマジック。
あと割と有名なのがトランプ一組を表すdeckの最初のところ。ディではなくてデ。デックね、デック。
ちょっと通なところを突くとハートの3とかのハート(heart(s))。この入りのところのハーは、rが入っていたなと頭から・・・、え〜、カタカナに書けないのですが「彼女の」を意味するherのように最初からrの音が入るのでなくてハーrとハーと伸ばしてからrに入ります。頭からrを入れるのはhurt(傷つける・怪我をさせる)という別の単語があるので要注意。
rの音と言えば赤と黒と言うときのレッドのレはrでブラックのラはlです。

さて、発音の話とは違いますが言い間違えやすいものの話。ギャンブルをテーマに話すときポーカーの手に言及することもあると思います。ワンペア、ツーペアはまあ良いとして同じ数字が3枚あるやつ、スリーカードと言ってしまうと、それ、文字通り取れば3枚のカードですので表が何でもカードが3枚あればスリーカード(本当はズ)。英語ではthree of a kind(スリー・オブ・ア・カインド)と呼びます。
それと同一スート(マーク)の10,J,Q,K,Aがそろうやつ。ロイヤルストレートフラッシュと言いがちですが単にroyal flush(ローヤル・フラッシュ)と言うことも多いです(ストレートを入れても通じます)。
【2018/02/16追記】
YouTubeチャンネルにマジックに使う英語フレーズの解説動画のアップを始めましたのでこちらもご参照ください。

10/08/2017

本当らしさ、本物らしさ

映画におけるSFXや食品サンプルなど、如何に見ている人に違和感を与えずフェイクを本物らしく見せるかに注力しているものは沢山ある。そしてそれらの世界では「本物はこうではないのだけど、ちょっとここをこうした方がこの世界観の中ではより本物らしく見える」という処理が加えられることも少なくない。
最初にそんな話を意識したのはスター・ウォーズのエピソード6(1983)のメイキング時のエピソードを読んでいたとき、当時話題になったスピーダーバイクのチェイスシーンについて。背景は高速度カメラで実際の森の中で撮影したものを使っていたが、単にキャラクターを合成するだけではしっくりこず、実写背景にあとから実際には存在しない効果を加えたところより本物らしく見えるようになったというエピソードがある。

さて、マジックの世界ではあるテクニック、例えばテーブルに置いてあるトランプを取り上げる動作のとき実際には見た目以上の何かを行うようなテクニック、を練習する際に良く聞くアドバイスとしてまずは実際にトランプを取り上げる動作を行ってみて、それを手本にその動きに近づくように練習すべし、というのがある。
これを完全に否定するつもりはないし、自分の頭の中で動作イメージを作れない場合は手軽に手本となる動作を手に入れる一手法であると思う。しかしそれを唯一の方法と思ったり、「実際にそれを行ったときの動き」を唯一無二の目指すべきゴールと捉えたり、さらには他者のマジックにアドバイスをするときに「実際にそれをするときにはそうは手は動かない」と言ってみたりするのは思考が画一化しすぎているなと思う。他のフェイクを生み出す芸術がすでに取り入れているのにマジックがまだなかなか目を向けられずにいる視点。
また、本当の動きを鏡の前で繰り返しているうちにそっちの方がぎこちなくよくわからないことになってしまう例も見る。さらにそもそも例えばフレンチドロップなんて練習を始める前に実生活であの動作をやったことある人の方が希だろう。
もちろん、マジックがその点に全く気付かずにいるのかというとそうではなくてデビッド・ロスのシャトルパスなどはフェイクが彼の演技の中では疑問を挟む余地のない説得力を持った動きとして成立している例と言える。リアルなときもあのリズムと流れでやろうと思ったらそのためにもまた練習が必要なくらい、リアルからは遠い動きだがあれを彼が一般的な意味でのリアルに寄せたらマジック全体がもっと怪しく不自然に見えてしまうことは容易に想像出来る。

マジックの演技での動作のありようは、例えば音楽においてある箇所にどんなフレーズを入れるかにも似ているかもしれない。どんなに良く出来たフレーズでも前後のつながり、リズムに違和感があればそこだけ悪目立ちしてしまう。如何にそこに溶け込んでつなぎ目が見えなくなるかが大事で実際の動作との距離がどれくらいかにのみ目を向けるのは必ずしも良い結果を生まない。
などと、よく知りもしない音楽を例えに出して書いてしまい、自分が知っていることを説明するためによく知りもしない分野を引き合いに出すのは何て筋が悪いのだろうと思ったのでした。気をつけます。はい。

10/07/2017

Google Homeの自分的に便利な機能

日本でもGoogle Homeが販売開始しましたね。音声アシスタント機器なのですが同じことは大体Androidフォンで可能です。ですのでこれは投資が得られるものに見合うかという判断は人によって様々と思います。
私が感じる利点の一つはマイク性能の良さ。電話だとそこに向かって話しかけないといけないですがGoogle Homeだと室内のどこにいても声を張り上げなくても反応してくれます。それと音質が割と良いと言うこと。Spotifyのアカウントを作って連携させるとBGM再生機としてなかなか重宝します。個人的に最もよく使っている機能はタイマーで、カップラーメンなどを時間通りに計らないと気が済まない性格なので、手を使わずに音声だけでタイマーセット出来るのはかなり便利です。

話変わって、少し前に誕生日だったのですがその日一日だけはこんなリアクションを返してくれます。(自分でリアクションを試したい方は動画の再生はしないことをお勧めします。)英語モードになっているのは現段階で英語の方が反応が良いように感じられるためです。ただし、これは日本語での利用が増えてくれば解消されるでしょう。
※ 以下の動画ではみなさまのGoogle Homeが反応しないよう「OK, Google.」のOKの部分の音声をカットしてあります。



またChromecastやAndroid TVを使っている方はYouTubeの検索も音声で出来ます。検索ワードをTVリモコンで入力するのは面倒なのでこれはなかなか便利です。



それと最近追加された機能で自分の電話を鳴らしてくれるようになりました。複数所有していてもどれを鳴らすか指定出来ます。部屋で電話を見失ったときにとっても便利。



決して生活必需品ではありませんが、あると生活のちょっとしたところで便利を感じることが出来ます。