11/05/2019

メモ取り可になったTOEIC スピーキングテスト

今年はすでにスピーキング・テストは受けていたので、年内に再度受ける気はなかったのですが6月のテストからメモが取れるようルールが変更になり、それに伴って幾つかの問題の準備時間が15秒増えました。これによってテストが楽になるのか、でもその分問題が難しくなるのか、でも楽になるにしても難しくなるにしても受験者全員が同じように影響を受けるのだからTOEICの採点方式上、各自のスコアはルール改正前後でそれほど変わらないのか、などが気になってしまい、11月3日の回を受けてきました。
相変わらず受験者が少ない。私が行った都内の会場(本郷アカデミー)は私を含めて全部で6名。でもこれだけ少ないからこのテスト、無事に運営出来ている気がしなくもないです。LRなみの受験者数になったら(ならないと思うけど)、裁ききれないのではないかと。
以前からA4サイズのアンケート用紙とボールペンが最初に渡されていましたが、メモはこの裏面に、渡されたボールペンで行うことになります。テスト後に回収。
さて、実際にメモがどれだけ役立ったかですが、ほとんどメモを取りませんでした。いえ、取れませんでした。全体通して用紙に書いたのはたったの2単語だけ。受ける前は例えば写真描写問題で、思いついたフレーズをさっと書いておけば楽になるかもとか思ったんですが、さすがにこの短時間なら思いついたことは覚えておけるし、そもそもメモを効果的に使う訓練をしておかないと、案外難しいのではと思いました。唯一メモを取ったのは解決策提示問題でのメッセージ話者の名前と言及された会社名の2つ。私、こういうのすぐ忘れちゃうんですよ。だから自分の話し始めで"Hi, Mark."とか呼びかけられない。でも、呼びかけようが、かけなかろうがスコアには大きく影響しない気がするんですよね。それに今思い出しましたが、そもそも今回せっかくメモに取ったのに、名前で呼びかけるのを忘れました。どこまで忘れれば気が済むのか、私。
それにこのパートでは音声を聞きながらメモをとることになるのですが、これまた慣れてないのでメモを取ろうとすると音声への集中が途切れてしまうんですよね。
そんな次第でメモは有効活用できませんでした。問題の難易度の変化はなかったように思います。メモを有効に使いたいならその練習が必用かも。あと、すでに机の上にキーボードやマウスが乗ってて、メモ用紙を使いやすい場所に置きづらいということもありました。
もう一つ変更点として、解答を終了したら自分の音声をチェック出来るようになりました。各解答毎に再生ボタンと停止ボタンが表示されます。これ、全部を気持ち良く解答できたときには良いでしょうが、何か後悔を残した場合は、早速ここで自分の至らなさに対峙させられるというプレイです。
私はそれぞれ最初の数秒だけ聞いて音が記録されていることを確認して終わらせました。でも、これってここで録音の不備が判明したらどうなるんでしょうね?
結果が出るまでの時間も短縮され17日後には出るようになりました。今年はライティング・テストも受け、5年ぶり(6年かも)のLRも受け、と多めでしたが来年はまた通常ペースに戻します。

9/17/2019

海外に行ったことがない人向けの海外旅行に行くまでに必要なあれこれ

マジックをやっている人には、早いうちに機会を作ってハリウッドのマジック・キャッスルや、ラス・ベガスの空気感、ショーを体験して刺激を受けた方が良いと言っています。マジックをやっていなくても海外に行ってみることは新たな視点や様々な気付きを与えてくれます。でも、そうやって勧めておきながら実際どうやったら海外に行けるのかという話はほとんどしたことがありませんでした。行ったことがある人にとっては航空券買ってホテルを手配したら出かければ良いわけですが、行ったことがない人にはそれぞれのプロセスが未知のものでありどこから手を付けてよいやらという状況であろうことも想像できるわけです。そこで、ここに簡単にまとめてみました。行先はアメリカを想定していますが、どこに行くにも大まかには似たようなものと思います。

【まずはパスポート】
パスポートがなくても海外のホテルの予約やショーのチケットを購入することはできますが、航空券を買うことが出来ません。厳密にいえばサイトによってはパスポート情報の入力なしで買えるところもあるのですが、やはりまずはパスポートの入手が最初にすべきことでしょう。
私は書類に手書きで文字を書くのが苦手なのですが、今はWEB上で入力してそれをプリントアウトしたものが申請に使えます。こちらからどうぞ。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_2.html
必要書類などの情報もここに掲載されています。申請してから大体一週間で発行されます。

【航空券とホテル】
大きく分けて次の3つが考えられます。
1. 旅行代理店のパッケージツアーを利用
2. 旅行代理店に航空券の手配、ホテルの手配をやってもらう
3. 自分で航空券もホテルも手配する

1の方法は自分の目的にぴったり合うツアーがあれば手軽だと思います。但し、個別に自分で手配するよりコストは高くなる場合もあるでしょう。しかし予約の手間や、何らかのトラブル発生時に旅行代理店が対応してくれるであろうことを考えると(範囲は確認してください)、その安心料と考えれば初回はこういうのを利用するのは悪くない選択かもしれません。そして実際の旅行中に「自分で手配するとしたら」という脳内シミュレーションをしておけば3の方法への以降もスムーズでしょう。

2の方法は自分が泊まりたいホテルが決まっていたり、航空会社を指定したかったり、反対に航空会社を指定しないでとにかく安いのをと、検索を丸投げしてみたり、と自分でやるのは面倒という方には有効かもです。何故航空会社を指定したいかと言えば、マイレージを貯めるためです。マイレージと言うのは飛行距離に応じて加算されるポイントのことで、このポイントがたまると航空券と交換できたりします。但しこれには自分で飛行前にアカウントを作っておく必要がありますので、今後その航空会社をいつ使うかはわからなくても取り敢えず作っておくというのも手です。

3の方法が私がいつもやっている方法です。航空券を買うのはエクスペディアか、各航空会社のオフィシャルサイトからが多いです。今は値段は価格比較サイトでも航空会社のオフィシャルサイトで購入しても大体一緒なのですがエクスペディアの方が航空会社をまたいでの価格比較がしやすいというメリットがあります。一方、乗り継ぎ便があるときにエクスペディアだと出ない組み合わせがあり、航空会社のオフィシャルサイトだとそういう組み合わせが選べることもあります。
ホテルの予約もいくつか予約サイトがありますが今は価格は大抵どこでも変わらないのでこれも使いやすさ、自分がポイントを貯めているサイトを選べばよいでしょう。ホテルのオフィシャルサイトを見るとキャンペーンをやってることもあるのでそちらのチェックもすると良いかもしれません。

【eチケット】
航空券を購入してしばらくすると(即時~数日)eチケットが発行されます。名前の通り紙ではなくてPDFで送られてくることが多いです。当日空港でチェックイン時に見せたり、海外の空港によっては施設内に入るときに見せる必要があったりします。スマートフォンの画面を見せれば良いですが、バッテリー切れが心配という方はプリントアウトしたものも持っておくと良いでしょう。

【ESTA】
ESTAはざっくり言うと、ビザ免除プログラムのもと渡航する資格があることを確認することを目的としたシステムです。詳しく知りたい方は各自検索をお願いします。観光で90日以下のアメリカ滞在をするときに必要で以下のサイトで申請してください。申請には14ドルをクレジットカードで支払うことになります。
https://esta.cbp.dhs.gov/esta/application.html?execution=e1s1&language=ja
たまに日本語が変で不安をかきたてますが、アメリカ政府のページです。有効期間は2年でその間は何回アメリカに行っても有効です。なので、ぎりぎりに申請した方が良いように思えますが、あまりギリギリだと処理が間に合わない可能性があり72時間前の申請が推奨されています。申請が通っても特に何かが送られてくるわけでもなく、ですのでアメリカ入国時に何かを見せるわけでもありません。申請が通ったという事実があれば良いだけです。申請の結果がメールで来たりなんてこともないので、自分で頃合いを見てサイトでチェックする必要があります。
申請代行業者なんてのもありますが、サイトに必要事項を入力していくだけなので全く難しくありません。
※追記 空港でESTAが承認されたことを見せるように要求されたという方がいらっしゃいましたのでサイトの自分のステータス表示をプリントアウトしたりスクリーンキャプチャしておく方が良いかもです。用意がなくても自分の申請番号(Application Number)がわかれば大丈夫だろうと思いますのでスマートフォンを持っていればそこにESTA申請時に送られてきたメールがあるはずですからそれを見せれば良いでしょう。

【フライトの座席指定】
座席指定は代理店とか、エクスペディアのような料金比較サイトで購入すると出来ないことがあります(出来ることもある)。航空会社のオフィシャルサイトから購入する場合は確実に出来るので、これはオフィシャルサイトからの購入の利点の一つかもしれないです。座席指定が可能な方は事前に航空会社のサイトで自分の席の指定をしておきましょう。eチケットの番号が必要です。通路側、窓側など好みがあると思います。数時間という空の旅の快適度がここで決まります。また、自分のフライトにWi-Fiサービスがあるかとか、充電用のUSBポートがあるかなどもチェックできます。USBポートがあったら忘れずにケーブルを機内持ち込み荷物に入れておきましょう。
後述するオンラインチェックイン時にはどういう経路でチケットを購入したかに関わらずその時点で空いている座席の中から自分の座席を選ぶことが出来ます。

【両替】
銀行で両替サービスをやっているところ、または街中の外貨両替ショップ、当日空港で、などが考えられます。これ、為替レートをにらんで最適なタイミングを計ろうとする人がいますが1ドルが0.5円動いても1000ドルで500円ですからあまり努力に見合わないかもしれません。チップなどで必要になるので私はいつも1ドルを多めにもらうようにしています。個人的には100ドル札はいらないです。だったら20ドル5枚の方が使いやすいです。

【プリペイドSIM】
現地でのインターネットの確保は今や必須でしょう。検索以外でもGoogle Mapの利用、UberやGrabなどのタクシー配車サービスの利用、人によってはSNSを使いたい人もいるのではないでしょうか。もっとも楽なのは日本で使っているキャリアの海外でのデータ定額サービスを使うことですがこれが案外高い。また、現地でどこかに電話をかけたり、友人同士との通話に使える便利さを考えるとプリペイドSIMで現地の電話番号を手に入れるのが良いかと思います。私がいつも使っているのはH2OというAT&Tの回線を使っているMVNOのプリペイドSIMです。30ドルのサービスで一週間程度の滞在ならデータも通話も何の問題もなく使えます。また日本にいるうちからアクティベートできるのも良い点で、事前にアメリカ用の電話番号を確定させて現地の知り合いに伝えておくことが出来ます。アメリカからでないとアクティベートできないSIMだと、現地でいろいろやるのが面倒ですし、着いた瞬間に使い始めることも出来ないですから。
またH2Oはアクティベートのための日本語ページがあり、サポートも日本語で受けられるようです(サポート、使ったことないのでここは伝聞情報です)。
https://h2owirelessjapan.com/
このサイトでもSIMを売っていますし、H2OのSIMはAmazonとかオークションでも見かけたりするので安いところから買っておけば良いでしょう。

【利用航空会社のスマートフォン用アプリ】
今は各航空会社がアプリを出しています。インストールしておくと下で説明しているチェックインの手続きがここから出来るものもあります(出来ない会社もあります)。また、フライトに遅延があったときやゲート変更があったときにチェックできるものもあります(そして出来ない会社もあります)。

【日本発24時間前】
オンラインでチェックインが出来ます。預け荷物の個数とか入力して完了すると搭乗券が発行されます。プリントアウトするなりQRコードをスマートフォンに送っておくなりお好きな方法で。事前に座席指定をしてここでチェックインをしておけばさすがにオーバーブックで自分が乗れなくなるなんてことは起きないだろうと個人的には考えています。
もし、預け荷物がなくて持ち込み荷物だけならこれを済ませれば当日はカウンターに行かずにセキュリティチェックに向かえばいいのですが、普通はスーツケースがあると思いますのでオンラインでチェックインを済ませても結局はカウンターに行くことになります。が、上述の理由で事前にチェックインを済ませておくに越したことはないでしょう。
帰国の24時間前にも同様の手続きをしましょう。スマートフォンからも出来ますがネット環境は必要です。

【日本出国】
パスポートに出国スタンプが貯まっていったのは昔の話。今はセルフのカウンターでパスポートをスキャンして自動で顔写真を撮影されて手続き終了です。希望者にはスタンプを押してくれますがそのうちこれもなくなるんでしょうね。

【機内】
以前は税関申告書を記入する必要がありましたが、今やペーパーレス。ついに持ち込み荷物にボールペンを加える必要がなくなりました。右利きの自分は用紙記入のために左側から読書灯が当たる席を選んでいたのですがその必要ももうありません。
かつてはWi-Fi、Bluetoothなど電波を発するものはNGだったのですが、今はセルラーをオンにしなければそれ以外のWi-FiやBluetoothは離着陸時以外の時間は利用可能です。ですので、ワイヤレスヘッドフォンも使えます。
デルタ航空での機内Wi-Fiサービスの使用体験談はこちらのエントリからどうぞ。

【アメリカ入国】
ESTAを持っている人はタッチスクリーン端末で、質問に答えます。メニューは日本語も選べます。このまま無人で終わるかと思いきや、この後に例の一人ずつ目的とか滞在期間とか質問されるアトラクションがあります。
この一連の手続きは、例えば乗り継ぎがあって成田>ロサンゼルス>ラス・ベガスの場合でも最終地のラス・ベガスでなく最初にアメリカに入る地、この例ではロサンゼルスで行います。

【帰国時】
空港での手続きは日本を出るときと大体一緒です。スーツケース預けて、セキュリティチェックを抜けてゲート前へ。アメリカ入国時にはペーパーレス化が進んでいましたが、日本ではまだ(2019年9月現在)税関申告書は紙です。あ、はい、ここでボールペンが必要でした。機内持ち込み荷物から出してしまった方、隣の人に借りてください。
日本についたらここでも帰国時のスタンプはありません。出国時と同様にパスポートをスキャンして顔写真を撮ったらバゲッジクレームへ。

9/14/2019

デルタ航空の機内Wi-Fiサービス(2019年9月)

とても久しぶりにデルタ航空を利用する機会があり、サイトを見たらなんとネットが使えて、無料プランでもFacebook MessengerとiMessageとWhatsAppが使えるとか(有料プランならもっと色々使えるようになります)。送れるのはテキストのみで静止画や動画はNGなのですが、さらにすでに使用した人のブログを読むとLINEなど他のメッセージアプリケーションも使えたという報告もあります。ただ、それはサービスを立ち上げたばかりの時の話のようで、では、現状(2019年9月)はどうなのかと思い、実際に使ってみました。
まず使い方ですが、シートポケットに入っているマニュアルによると端末をフライトモードに入れて、その次に該当するSSIDにWi-Fiで接続するように書いてあるのですが、これはWi-Fiをオンにしないと、そもそもSSIDが見えたこないですよね。Wi-Fiの電源を入れてから探してみてください。飛行中にWi-FiとBluetoothの電源を入れるのは今では現在は許可されています(離着陸時を除く)。ですので、Bluetoothヘッドフォンで音楽を聴くのも今では可能になりました。但し、セルラーデータはダメですので注意してください。
そして次は、これはおそらく端末によるのですが、ブラウザを開くとか、画面の上に表示される「ネットに繋がってないよ」アイコンをタップするとかして、この画面を表示します。先に進むとこのページが表示されるので数字を入力してさらに先に進みます。
最初の画面
数字入力画面では、表示されている通りに数字を入力し、Start Messagingをタップします。
下の表示が出たら、今回は一番上のFreeのプランが目的のプランなのでここをタップし、しばらくすると接続完了の表示が出て完了です。
iMessageは使う環境がないので試していませんが、Facebook MessengerとWhatsAppは確かにテキストでのメッセージのやりとりができます。但し、静止画と動画は送れません。また、GoogleのHangoutsを試してみたところテキストメッセージも送れません。LINEもNG。アプリケーションによるGmailの送受信も無理。ですので、少し前には出来たとの報告を散見したアプリも、今はきちんとサービスの表記通り使えないことになります。今後また規制が緩くなって使えないはずのアプリケーションが使えたりとかあるかもしれませんが、2019年9月の段階ではこのようなところでした。

【注意】
普段はメッセージングアプリケーションを使っていなくて、フライトの時だけ使おうと思っている方は前もってダウンロードしてインストールしておくことを忘れないようにしてください。機内のサービスからはダウンロードそのものが出来ません。

7/12/2019

サスペリア4Kレストア版の感想

立川シネマシティでアルジェント版サスペリアの極音上映を観てきました。アメリカのSynapse Filmsという会社が4年かけて4Kレストアをしまして、まずアメリカで去年、上映、パッケージソフトとして販売、そして日本でも今年、上映とパッケージソフトの販売が実現しました。35mmのオリジナルネガの保管状態が相当悪く、埃だけでなくて人の指紋までぺたぺた付いていたそうで、ということはオリジナルネガを手袋なしでかなり自由に触った人がいるってことです。
撮影監督のルチアーノ・トヴォリがレストア作業のカラーグレーディングを監修し当時の創作意図を再現。
音は当時、4チャンネルのディスクリートチャンネルサウンドでしたが、当時はこれが再生出来たのは限られた劇場だったと言われています。今回、音も当時を再現するようリミックスされ、半ばやり過ぎなほどにクルクル動く音を堪能できます。あるシーンで人のセリフが右チャンネル、ハサミの音がセンターチャンネルというのがあるんですが、これが例えば当時かなりクオリティが高いと言われたアンカーベイ社のDVDだと、ハサミの音が良く聞こえないのです。あまりチョキチョキ言ってない。今回のレストア版ではそういう音もクリアに聞こえます。
…と、まあ、これらは去年アメリカからBlu-rayを購入したときに確認できたことではあるのですが、かといって、劇場のスクリーンと音響システムで観られる機会を見過ごすわけにも行かず、と思い行ってきたわけです。で、実際どうだったかというと実は画質は家のプロジェクターで観た方が好みでした。マスターは同じはずなので劇場のプロジェクターの特性だと思うのですが黒が沈みきっていなくてコントラストがちょっと浅い。比べなければ全然問題ないのですし、他の方の感想を観てもレストアによる画質向上は高評価です。ただ、サスペリアってよく赤について言及されますが、光も案外重要で冒頭から暗闇の中で光るタクシーのヘッドライトとその周辺で照らされる雨の描写、ガラスに反射する顔とそのガラスのクリアで硬質な感じ、水たまりに反射する建物の存在感と水の冷たさ、そういうのは黒がひたすら黒く、明るいところは明るく描ける描写力によって訴えかけてくる力を持ちます。単にタクシーが走っている、ガラス越しに人がいる、水たまりがそこにあるという情報以上のものが写真や絵画の芸術と同様あるわけですから。
ただ、劇場のスクリーンで観られたことはそれだけで価値がある体験でしたし、あの音響システムで観られたことでサスペリアの音が本来持っていた広がり、移動、不安をあおる水流の音や人のざわめきを聞くことが出来たのは大きいです。これを体験するのはさすがに家では厳しいでしょう。
(写真は今までに買ったサスペリア)

7/08/2019

マジックの英語教室、こんな感じでした

6月23日・24日の一泊二日でマジックバー・サプライズのマジシャンとお客様親睦のための箱根ツアーが開催されました。そこで私はマジックの演技と、マジックに使う英語教室を担当しました。普段は英語方面に関しては、YouTubeでマジックに使うフレーズを解説したり、マジシャンに個別に特定の演技用の英語のセリフ作ったり、その言い方を教えたりなんてことをしてますが、今回は箱根で教室。

箱根にまで来て、大きなお風呂のある施設で、美味しく夕食を食べた後に「さて、英語を勉強するぞ」という人はなかなかいないだろうと思っていましたが、予想は当たり少人数制での進行。参加したのは主に実際の現場で英語の必要性を感じてる方々。サリトさんとかぺるさんとか。
前半は英語を話すときに、こう考えると文を組み立てやすいですよ、という捉え方の話とか、私がよく何かを説明するときに使う、
My job is a magician.
は、文法的に間違ってますよ、という話とか。

後半は、流れで参加者の一人の演技のセリフを組み立てていくことに。私の基本的な考え方としてマジシャン全員が全員、そこまで完全で、綺麗な英文を話す必要はない、と思ってます。マジシャンがかけることが出来る労力の総和を100とすれば、そのうちどれだけを英語に割くかは、これはもうマジシャン当人の選択次第ですし、どれくらいの完成度の英語を話すかも当人がどんなキャラクターで演じたいかによります。但し、いつも私が最初に説明するのは、例えば旅行英語なら自分の発した言葉がなかなか通じなくて、やり取りのプロセスが増えても通じればそれで良いですが、マジックとなるとスッと伝わらないと大切な瞬間を壊してしまう可能性があります。また、不思議なことが起こるときに発した言葉が伝わらず、観客の意識が「あれ? 今何と言ったんだろう?」と逸れてしまい、そこからマジックへと意識が戻ってやっと不思議を理解するなんてことになると、当然そのマジックはインパクトを失ってしまいます。
ですから、観ている側が殊更マジシャンの言っていることに集中しなくても、無理なく言ってる内容が頭に入ってくるレベルは必要で、そこを目指すレベルとしましょう、としています。

さて、具体的にどうセリフを作ったり直したりしていったかを、当日の例をかいつまんで説明してみます。例えば最初に
Invisible deck.
と言って、ある道具(!)を提示してたとのことで、そんなに「ジャーン!」って感じでないのであれば文にしましょう、と、
This is an invisible deck.
としたのですが、これ、一息にinvisible deckのとこまで言い切れればいいのですが、慣れていないとどうしても単語を一つずつ置いていくような話し方になってしまいがちで、その場合はinvisible deckに到達するのに時間がかかってしまいます。そこで、最終的には
This deck is invisible.
にしました。これだと最初に
This deck
と言えるので、話すペースが少しゆっくりでも様になりやすいです。

また、観客に「拍手~っ!」と言うようなイメージで
Clapping!
と言っていたとのことで、それが使い慣れていて負担なく出てくる単語なら、ここはそれで十中八九は通じるので良いとするか、または目的語を入れて
Clap your hands!
にしておくか…、と考えたところで、あることに思い至りました。すでにいくつかセリフを言ってもらってたのですが、LがRに近い音になる傾向がありました。これでも多くの場合は通じると思います。例えば動作付きで
I'm shuffling the cards.
と言うときとか。が、
Clapping!
の場合は実際、l出なくてrの方の単語も存在しているし、その意味がアレなこともあり、代わりに
Applause!
にすることにしました。

さて、このマジックのまさに不思議なことが起こる直前に使っているセリフを行ってもらったら、仮定法過去を使わねばならず、言い回しとしても言い慣れてない感じになってしまうので、そこは簡単な言い方に変更しましょう、と提案。肝心の時にセリフに集中しすぎてしまって、マジックの演技がおそろかになってしまっては勿体無いですから、ここはセリフの負荷を下げるべきと判断。でも、最初に私が提案したセリフは、その順でセリフを言ってはマジックが成立しないと言う類のものでして、あ、そうでした。うっかりマジックの仕組みの側面から考えるのを忘れてました。マジックのセリフは演技者の言いやすさ、伝わりやすさは勿論ですが、マジックの演技の構造的な面も考慮に入れないといけません。そこで、少し組み替えて微調整して今度こそ完成、と、そんなマジックに使う英語教室でした。
箱根まで来て英語とマジックに頭をひねるのもなかなか良いものです。

6/18/2019

TOEIC Speaking & Writing Tests (スピーキング&ライティング)結果


毎年恒例行事化しているTOEIC Speaking & Writing Tests (スピーキング&ライティング)を受けてきました。いつもはスピーキングだけなんですがちょっと気が向いてライティングを初受験。
ひとつ前のブログに書きましたが4月にもスピーキングを一回受けていてこのときは150でした。3年前から受け始めたテストですが毎年まずは150点で、そこでテストの感覚戻したり、反省したりして再度受験すると10点上がって160点、というのが2年連続でのパターン。
じゃ、全然上達していないのかと言うと話すときの自由感は年々増しているのですよ。今年初回受験時は言いたいことは全部言った感がありましたから。でも150点。
ここでの反省と考えたことをブログに書こうかと思っているうちに二回目を受験、結果が出てしまいさすがに旬を過ぎた感ありなのでここにまとめて書いておきます。まず、今回の結果はこんな。
まあ、もともとスコアを狙っているわけでなくて日々の上達度を測定するために受けているのでスコアを狙いに行くのは本末転倒なのですが、でもちょっとは欲が出たのと、あと実際に話すときには年ごとに話しやすくなってる感はあるのにスコアは何故安定しているの?って疑問もあったり。
で、ふと考えたわけです。スピーキングで出題される問題は「使い捨て食器を使うことのメリットとデメリットは?」とかホテルに勤務している設定で誰かが「間違えて、宴会場ダブルブックしちゃった。てへっ。うまいこと解決してくんない?」と言ってくるので、それに解決案を授けてあげたりとか、そういうのを短時間で考え出して、与えられた時間話し続ける必要があります。
で、考えたのですが、自分の考えていることを英語としてアウトプットする力は年々向上しているものの、そもそもの話す内容自体に自力で考える内容だけでは限界が来ているのではないか、と。仮に現状でネイティブ並みに頭の中のことを話せたとしてもその内容ではもう点が飛躍的に伸びることはないという可能性に思い当たりました。
そこで問題集の模範解答を眺めながら、話の展開のさせ方とか、提案するときの表現法とかを「これは、あと3年経っても自動的には身に付かないわ~」と思いながら覚えてみたのでした。
さらに2回目の受験を決めたときに思うところがあり、ライティング・テストも受けることにしました。ライティングはたまにFacebookに英文書いているし、実生活で海外から何か買ったり、届いたのが違ったりして交換希望したり、友人とメッセージやり取りしたりしているので、それ以上特にやらなくてもよいかと思った…というか、それ以上やることが思いつかなかったのですが、それよりも何よりも受験時のコンピューターにはスペルのオートコレクト機能がないことに思い至り驚愕。ま、テストですからね。仕方がない。改めて普段の自分を観察すると驚くほど正しいスペルを覚えていないことに気づきましたが、1ヵ月でどうにかなるものでもないので、ここは残りの日々を出来るだけオートコレクトに怒られないように注意を払って英文を書くよう意識しました。
あ、対策と言えばもう一つ、出題される問題は「これこれの旅行ツアーに申し込むに際してメールで問い合わせなさい。その際に質問文を2つ織り交ぜなさい」とメールを想定した文を書いたり、「子供の頃から外国語を学ばせることは有効か否か。その理由は?」と自分の意見を述べたり。なので、テスト対策を解説しているサイトを見て、メールの作法やエッセイの展開のさせ方を確認しました。作ったメモがこれ。
でも、このエッセイパートはスピーキングでも似たような問題が出るので、基本的には言うのか、書くのかの違い。自分の意見を述べてその理由や具体例を提示。だからスピーキング・テストの練習がこの問題への練習にそのままなっているだろうという気はしてました。私にはこのような問題の解答のために仮想の友人がおりまして、実際のエッセイでは仮想の友人(名前は次郎君)を引っ張り出し彼の実話と言う体で(要は創作)彼がいかに成功した人生を歩んだかを書きました。結局、First, Second, In conclusion, とか使わなかったので、メモなくてもよかったかも。こうなると自分の想像力、創作力のスキルが問われてますね。

自分の位置を視覚化するのにこんなグラフを昨年同様作りました。
さて、最後にいつも言ってることですが、私の英語のベースは中学と高校の授業で習ったもので(但し、もちろん今のように四技能とかコミュニケーション力重視とか言われる前)、アウトプットの基礎だってそれで十分であると感じています。もちろん、アウトプットにはアウトプットの練習が必要ですがそれは各自がやるべきことで、そのための基礎は学校英語で十分でしょう。

4/08/2019

TOEICスピーキングテスト受験@移転後の本郷会場

4月7日に実施されたTOEICのSpeaking Test(スピーキング・テスト)を本郷会場で受けてきました。何が難しかったかって、試験問題よりも会場に辿り着くのが難しかったです。路上でスマートフォン片手にウロウロしている人を数名見かけましたが、あれ、みんな、会場を探していたんじゃないでしょうか?本郷会場は4月から会場を今までの会場のそばの第2会場に移動したとのことで、ビルの外観はこんなです。今後受験される方、お間違えのなきよう。
この一ヵ月で取り敢えず問題集を一冊やり、解く際にはどの問題も時間を測ってました。まあ、本当にただ解いただけで、特に模範解答を見て復習することもなく、どうしても語彙不足、表現力不足を感じたときのみ調べるって感じでした。もともと試験時間の短いテストなので一日に費やした時間は30~45分ってところでしょうか。これとは別に話す機会を絶やさないようにしようと相変わらずSkypeレッスンは続けてて、でもこちらは特にテーマを設けて話すというわけでなく雑談。

さて、試験当日の話に戻りますが、私に割り当てられたコンピューターが最初の確認事項やデバイスのチェックの段階で応答を返さずに交換、さらに簡易的に作られていた仕切りが、固定用のテープが外れて倒れてくるなどありましたが、試験が始まってからは問題なく進みました。また仕切りが倒れてくるのではないかと、ずっと少し気になっていましたが。

試験問題に関しての細かな部分は去年受験した時のエントリに書いていますのでそちらを参照していただくとして、今回の問題は特に苦手を突かれたとか、想像外だったとかはなく(以前の時は解決策提示問題で提示されたお題がちょっと苦手なタイプ)大失敗はなかったろうと思います。ちょっとマイクの設定のせいか、録音される音が小さくそれは気がかりでしたが。回答の方針も今までと一緒。無理せず、自分の出来る範囲で話す。残り時間が7秒くらいになったら、どんなに話したりないと思っても締めに入る。あ、そうそう、写真描写問題はちょっと迷いました。結局、あの写真に写ってた人たちは何をしていたのか全くわからなかった。何してたのかなぁ。

TOEIC スピーキング・テストは6月からはメモ可となり、それに伴って準備時間も少し長くなりますから、現行ルールでの試験はあと一回ですね。単純に考えれば回答は楽になりますが、それはみんな同じなので、結果としてスコアはみんなあまり変わらないのか、また、問題は変更に伴って難しくなったりするのか、そもそもメモを取らないと回答できないようなものになるのか、気になる点もあるので年内にまた受けるかもしれません。

4/07/2019

たまにはお仕事のご報告

先日、都内のホテルである企業のパーティーがあり、そこで40分の演技をさせていただきました。会場にすでにプロジェクター、スクリーン、ケーブルが完備されているという天国現場で、おかげで私が準備するのはコンピューターとマジックの道具のみでした。プロジェクターがある場所でもステージ上の機材とコンピューターを繋ぐことは想定されてない場合もあるので(パーティー利用などを想定している場合はスタッフのオペレーション宅側に機材を繋げれば良いので)とてもありがたい環境で、スクリーンに映像を映しながら演じるマジックを数点、映像を使わないどちらかというと普通のマジックを数点。
また、その企業、その企業と取引のある会社の名前を使ってのマジックを一点。
40分というのは少し長めの構成で、いつもだと20〜30分で構成しています。これは、マジックが観ている側に集中力を要求するためで、つまり選んだトランプの名前を覚えておかないといけないとか、こっちに何があって、あっちに何があって、色は何色でと覚えておかないといけないとか、そのために観ている側が負担なく楽しめる時間がそれくらいなのです、ですから40分だといつもの演目の順とは違ったりと、色々「いつもと違う」点もあったのですが、無事故でした。
この機会を与えて下さった皆様、またご協力下さった皆様、ありがとうございました。

2/05/2019

センター試験英語(筆記)をやってみた感想

毎年恒例となりましたが(但し、去年から)、センター試験の英語(筆記)の問題をやってみました。まだ本家のサイトには問題は掲載されていませんが、検索したら予備校や新聞社などのサイトから問題を入手できると思います。
去年は200点満点中の180点でした。
そして、今年は198点。1問間違えました。何事もなかなかパーフェクトは難しい。間違えたのは第2問、問7。問題をそのまま書いちゃって良いのかわからないので似た問題を書くと、
Online shopping has become a popular (   ) of purchasing products and services.
1) mean
2) meaning
3) means
4) meant
上のカッコに入れる単語を選ぶという問題。答え合わせのときにじっくり見たら、そりゃ答えは(3)なのですが、解答中はパッと見てさっと書いてしまったらしく(1)を選んでました。あ〜。

他にもなかなか面白いと思うものがあり、例えばこれもオリジナルをアレンジしますが、
I was (  ) when I watched a totally (  ) ending of the movie.
1) shocking / surprising
2) shocking / surprised
3) shocked / surprising
4) shocked / surprised
現在分詞か過去分詞かって話ですが、これ、最初のカッコ用の選択肢で、もしsurpriseを使っていたらbe surprised atはみんなが丸暗記する塊の代表格ですから脊椎反射で答えられてしまう可能性が上がるわけです。でも一方でI’m excited.と言うべきところをI’m exciting.と言ってしまうミスは散見しますから、理由がわかってない層も存在してるってことですよね。この問題では、その辺りを理由がわかった上で選べるかが問われています。2つめのカッコはこれまたbe surprised atからsurprisedがもはや形容詞とほぼ同一視できると考えてしまって、そもそもの動詞としてのsurpriseの意味を見失うと不正解を選んでしまうことがあるかもしれません。

さて、もう1問だけ。
The detective told me (  ) the situation as (  ) as possible.
1) describing / accurate
2) to describe / accurate
3) describing / accurately
4) to describe / accurately
前半はいいでしょう。tell 人 to doは多くの人が知っているはず。問題は2つ目のカッコ。中学のときに出てきたアレです、が、大抵、最初に触れる例文は背の高さ比べあたりで
Taro is as tall as Ellen (is).
みたいなやつ。他にも花が何かと同じくらい美しかったり、太郎君が次郎君と同じくらい賢かったり。つまりasとasの間に来るのは、まずは形容詞。まあ、ここまではもちろん基礎を学ぶ上で必要なので良いのですが、次に副詞も入りますよと教わるときに、よく目にする例文はこんなの。
Taro runs as fast as Ellen.
そうでなかったら走らないで泳ぐとか。注目すべきはここでのfastは形容詞でなくて副詞なのですがfastって形容詞も副詞も同じ形してますから、そのあたりの区別を意識しづらい。でもTaro runs fast.って言ったらそのときのfastは副詞です。学校でその点も教わるのですが、区別が曖昧なまま覚えてしまうと感覚的にasとasの間には形容詞しか入れられなくなってしまいます。しかも音節が多いaccuratelyなんかだと、何となくで選ぼうとすると、どうしてもこのlyが余計に感じられてしまうことがありそうです。でもdescribe the situationを修飾するのは形容詞でなくて副詞で、何故ならdescribe the situation accuratelyとなるべきだから。as 〜 asがないときの大本の文で考えたらわかりやすい・・・はず。as 〜 asの話はYouTubeにアップしているマジックに使う英語の解説動画でも「好きな枚数だけカードを取って下さい」の表現のときに触れました。「あなたが望むのと同じ枚数だけカードを取って下さい。」と言えばよく、使う単語とその語順はas 〜 asの有無では基本的に変化しません。


批判にさらされることが多い、学校英語ですがこういった問題を眺めても、よく出来ていると思います。観光で海外に行っても大抵は単語の羅列で何とかなってしまうものですが、もう少しつっこんだ話を、単語をテンプレートにはめるだけでなく自分から文を構築してしたい場合は、こういった理解は必要だと思います。逆にこれくらいの知識があれば、今は話せなくても話す練習をしたら話せるようになるでしょうし、あ、マジックの本や記事も割と読めると思います。